アパート・マンションお悩み相談室

マンション管理専門の一級建築士が、住まいのトラブル事例や解決策を呟きます。

建物に関するお悩みはこちらからご相談ください。

湯徳慎一郎(ゆとくしんいちろう)でございます。
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オーナーの許可なく、対応することができないためです。

大規模修繕工事にコンサルタントなんていらない。

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湯徳慎一郎です。

今回は、大規模修繕工事コンサルタントはいらない。というお話です。

 

私のキャリアを少しお話しすると、20歳で建設会社に入社しました。

その後、土木工事の職人を経て、22歳でマンションのリフォームを手掛ける工事会社に現場監督として入社しました。

そこから約11年。マンションのリフォーム業界に携わっています。

 

13年間で、新築もリフォームも、建築も土木も、職人・現場監督・営業・管理・設計・コンサル、独立、全部経験しました。

 

建築・不動産専門職の縦社会を全部経験した私にしか言えないぶっちゃけ話です。
ぜひ、楽しんでご覧いただければと思います。

 

 

マンションの大規模修繕ってどうやるの?

大規模修繕=マンションの外側のリフォームです。

壁のペンキを塗ったり、タイルを直したり、屋根を直したりする工事です。
工事期間中は、建物が白やグレーのシートで覆われるのも特徴の1つです。

 

大規模修繕の進め方は、大きく分けて3つあります。

 

  1. コンサルタントに頼む(設計監理方式)
  2. 直接工事会社に依頼する(責任施工方式)
  3. 管理組合で工事の範囲や工事会社を全部決める(管理組合管理方式)

 

基本的にはです。
ただし、1と2のどちらを選ぶかは、マンション管理会社によって99%決まります

 

管理会社によって大規模修繕は進め方が変わる

その理由は、管理会社が自社で工事をやるか、やらないかの違いによります。

自分のところで工事をやる管理会社の場合は、自社で工事をやる方向に進めます。

工事はやらないけどコンサルをやる管理会社「コンサルがいいですよ」と勧めます。

 

要は管理会社がどこかによって99%大規模修繕のやり方は決まっているということです。

いずれにせよ、管理会社に頼むと工事費は高くつきます

 

自社で工事をやる管理会社は下請に工事を丸投げしますから、利益分は取られます。
だったら
管理会社を通さずに直接工事会社に発注した方が安いよね。というお話。

 

自社でコンサルするよ、という会社にしても、コンサル費用を数百万払った上に、工事費がかかります

※管理会社ではなく、設計事務所にコンサルをお願いする場合も同じです。

 

大規模修繕工事にコンサルがいらない理由

その1:専門知識は不要

大規模修繕は、どんな工事をやるか説明します。

  • ひび割れを埋める
  • タイルを張り替える
  • 壁を掃除する
  • ペンキを上塗りする
  • シートを剥がして張り替える
  • 上からシートを貼り付けする

こんなこと言ったら怒られるんですがDIYの延長」みたいなものです。

 

そんな中で、リフォーム工事の現場監督は何をするのか。

 

主に以下の4つです。

  • マンション居住者に対する連絡係
  • 職人同士の間に入ってコミュニケーションを取る
  • 事故が起こらないように見守る
  • ちゃんと職人が仕事をしているか見守る

現場監督の仕事=コミュニケーションです。

 

ちなみに、大規模修繕工事会社の社員は、建築の学校を出ていない方も多くいらっしゃいます。

  • 現場仕事
  • 専門知識はほとんど使わない
  • 給料もそこまで良くない
  • 休日出勤当たり前
  • クレーム対応盛りだくさん

そのため、建築技術者にはあまり人気のない業界なのです。

 

その2:管理会社の実態

管理会社は正直、自社で大規模修繕工事をやりたいと思っています。
その理由は、2つです。

 

理由1
大規模修繕工事にかかる費用を会社の利益として見込んでいるから

理由2
自社以外のところで工事をしてトラブルになった時に、対応するのは管理会社だから

 

1に関しては、今後管理会社は工事に関われなくなってくると思います。
工事会社に直接発注する方が安いからです。

マンションにもよりますが、工事費を2割近く削減できます

 

また、大規模修繕をする際に「借入=借金」するマンションもありますが、借金してまでやるものではないです。

 

というか、借金しなきゃいけない状況の中で、管理会社がさらにお金を取る、というのはちょっと筋違いじゃないかな…と思ってしまいます。

お金の流れはしっかり把握されているわけなので…

 

その3:コンサル費用の相場

マンションにもよりますが、概ね200万円〜500万円です。
規模が大きくなればなるほど、金額は上がります。

ちなみに、管理会社が自社で工事を行う場合は、概ね工事費の10%から20%が管理会社の利益となります。

 

その4:大規模修繕工事費用の相場

一般的にマンション1戸あたり100万円〜120万円+消費税が相場です。

ただこれは、マンションの形状によっても異なります。

 

以下に該当するマンションは工事費が高くなりがちです。

  • 1階に住戸がない
  • ルーフバルコニーがある
  • 建物の形が複雑(L字、コの字、ロの字型など)
  • 傾斜地に立っている
  • 鉛筆型(狭い土地に高い階層で立っているマンション)

 

その5:コンサルなんていらない物件の特徴

  • 築年数25年以下
  • 住戸数100戸以下
  • 専門家(建築系)が住んでいて、かつ工事に関わってくれる場合
  • ほとんどのマンションはコンサルなんていらないです。

 

その6:逆にコンサルが必要な物件とは?

マンションによっては、コンサルや設計事務所「頼んだ方が良い」場合もあります。
その一例を以下に挙げます。

 

  • 投資用、リゾートマンション
    →オーナーが住んでいないため、工事の計画を立てられない、決定権を持つ方がいないため

  • タワーマンション
    →工事のやり方が特殊なため(足場を組まない)

  • 築年数が古いマンション(30年以上)
    →ペンキを塗る、だけでは済まない場合があるため

  • 設計行為が発生する場合
    →駐輪場に屋根をかけたい、階段をスロープにしたいなど

 

その7:理想的な大規模修繕工事の進め方

以下の2つを抑えておけば、大規模修繕工事は円滑に進みます。

 

【1つ目】
大規模修繕工事検討に「入る」段階のみ、専門家(建築士マンション管理士など)の知恵をお借りした方が良いです。

 

管理会社主導で進めてしまうと

  • 管理会社が工事やコンサルを取りたいから進めてきたんじゃないか
  • 理事会は管理会社に言い包められているんじゃないか

とあらぬ疑いを持たれてしまいます。

 

そうなっては、誰も得をしないので、検討をスタートさせた時点で、専門家の知恵をお借りすることをお勧めします。

 

【2つ目】
外部に発注するのは「どの範囲を工事するか」「どの会社に工事をお願いするか」のみでOKです。

 

この2点は「お金」に直結します。
特に『どの範囲を工事するか』という部分が一番厄介です。

 

工事会社や設計事務所は売上が欲しいので、工事が不要な箇所でも「やった方がいい」と勧めるケースがあります。
これは素人目では分かりません。そのためプロに見てもらった方がいいです。

 

ただし、設計事務所によるトータルコンサルティングは必要ありません

建物劣化診断修繕設計といった専門的に「見える」ものは必要ないです。

プロであれば、工事すべきか否かは『パッと見』で分かります。
数百万も払って発注するものではないです。

 

最後に

私のもとには、管理組合様、マンションオーナー様より「大規模修繕に関するご相談」が寄せられます。

 

『うちのマンションは工事をした方がいいですか?』
『大規模修繕って良く分からないから教えて欲しい』
『見積書を精査して欲しい』

 

といったご相談が多いです。

 

大規模修繕工事における1番の問題点は、数千万円〜数億円という工事が

  • 良く分からないまま、決まって
  • 良く分からないまま、進むこと

だと思います。

 

専門家やプロも相手が「大規模修繕を何も知らない」ことを十分理解しています。

つまり、専門家やプロの言いなりになりがちなのです。

 

管理会社に頼む、設計事務所に頼む、工事会社に頼む、と一度決めてしまったら、それはどんなことがあっても覆せません

そうなってから「どうしよう…」とご相談いただいても、正直対応致しかねます。

 

そのため「大規模修繕」という言葉を聞いたらすぐにご相談ください。

首都圏近郊(東京・神奈川・千葉・埼玉)であれば、直接物件を見させていただいた上でご回答差し上げます。

 

それでは、引き続き素敵なマンションライフをお楽しみください。

失敗しない「長期修繕計画」の作り方。

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湯徳慎一郎です。

今回のテーマは「長期修繕計画」です。

 

長期修繕計画とは、

『いつ、どこをリフォームするか予め目標を決めておいて、それに向けてお金を貯めていこうね』 という事前計画です。

 

3年後にお風呂、5年後にキッチンのリフォームをする、みたいな感じで、マンションの工事も計画を立てた上で、お金を貯めていきましょう。

 

これと同じだと思っていただければ大丈夫です。

 

ただ、これ…結構揉めます。。。

 

管理会社・専門家(建築士)・マンションオーナー3者の価値観がバラバラすぎてトラブルになるケースも多いです。

 

今回は、マンションを買いたい方、住んでいる方には、絶対に知っていてほしい「長期修繕計画の基礎知識」をお伝えしていきます。

 

 

 

長期修繕計画とは?

長期修繕計画とは、25〜30年間でかかる「マンションの工事代」を予想して、マンションを買った人たちで協力してお金を貯めていこうねというものです。

 

マンションは設備ごとに「寿命として設定されている年数」があります。

 

壁のペンキは12年〜15年、屋根は12年〜25年、玄関ドアは20年、窓ガラスは25年、エレベーターは30年といった形で

 

このタイミングで工事をやったほうがいいですよ〜と推奨されている時期があります。

 

それを以下の表に基づき「計画」することから始めます。

 

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※画像は、国土交通省発行の「長期修繕計画ガイドライン」より抜粋

 

壁のペンキは12年ごとに塗り替えましょう、金額は1,000万円です。

屋根は12年ごとに工事しましょう、金額は1,000万円です。

エレベーターは30年目に交換しましょう、金額は1,200万円です。

 

これを先ほどの表に当てはめて一覧にするんですね。

  • 12年目に2,000万円かかる
  • 15年目には500万円かかる
  • 20年目には600万円かかる

だから、それまでにオーナー1人あたりいくらずつお金を集めましょう

 

これを「みんなで決める」のが長期修繕計画の全体像です。

 

お金の貯め方には2通りある

まず、大前提として、アパート・マンションは築年数が古くなるにつれて、リフォームする箇所が増えます

そのため、新築当初よりも年数が経過したマンションのほうが、工事費はたくさんかかります

その上で、どうやってお金を貯めていくか。方法は2つあります。

 

その1:
あらかじめ30年先を見越して、新築当初から大きい金額(オーナー1人あたり15,000円から20,000円)を積み上げていきましょう、という方法。

 

これを「均等積立方式」と言います。

 

その2:
最初のうちはお金がかからないから、初めは貯めていくお金を少なくして、みんなの費用負担を抑えましょう

最初は1人あたり5,000円からスタートして、6年目からは9,000円ずつ、12年目からは13,000円ずつ…みたいに段階的に値上げしていきましょう、という方法。

 

これを「段階積立方式」と言います。

 

ほとんどのマンションは「その2:段階積立方式」を採用しています。

 

実は、ここが管理会社と専門家(建築士)、マンションオーナーとで価値観が変わる、揉め揉めポイントなんです。

 

長期修繕計画で揉める1番のポイント

まず、管理会社が一番恐れることは「お金が足りなくなる」ことです。

そのため、管理会社は可能であれば均等積立方式で、そこそこの金額を積んでいてほしい、というのが「願い」です。

 

また、段階積立方式で後々値上げしようね、と予めみんなで決めていても、いざ上げるとなると絶対に揉めます

そういうのも管理会社としては面倒なので、均等積立方式を推す担当者も多いと思います。

 

専門家(建築士マンション管理士等)も、考え方は管理会社と同じです。

彼らは、プロの立場で30年間の工事計画を立てていくわけですから、お金が足りない、なんてことがあっては責任問題です。

 

そのため可能な限りお金を多く積み立てしてほしい」という計画を無意識に作ります

 

しかし作ってしまえば、運用するのは管理組合と管理会社なので、ある意味では無責任な立場でもあります。

 

一方、マンションオーナーはどうかというと…

 

計画通りにお金を払うのは「オーナー」です。

ただ、ほとんどのオーナーは、工事費を積み立てる以前に『住宅ローン』を払っているんですよね。

 

しかも、このお金は「掛け捨て」です。

例えば5年後に引っ越すことになりました。5年間で1円も使いませんでした。でも、5年分積み立てたお金は帰ってこないんです。

 

そんな諸々の背景があるので、オーナー側としては、これからのことも大事だけど、積み立てする金額は「必要最低限」にしたい、というのが本音なのです。

 

私、個人の見解

私は、必要最低限の金額は積立しなければならないと思います。

ただ、正直…ほとんどのマンションは、無駄に工事費を積み増ししすぎだと思っています。

 

私が長期修繕計画を見直す時の大前提は

 

「必要か分からないお金を積み増しするくらいなら、自分の好きなものを買ってほしい」

 

工事費なんて、発注先をよく検討すれば、いくらでも削減できます。

 

人間は、ある分のお金は全部使ってしまう生き物です。

無駄に積み増ししたお金は、無駄な工事、贅沢な工事、やらなくてもいい工事に消えていきます。

 

そんなものにお金を多額に積み増しするくらいなら、1,000円でも2,000円でも抑える方法を考えて、浮いた金額で美味しいものを家族にごちそうしてあげてください

 

最後に

私のもとには、管理組合、マンションオーナー様より「長期修繕計画を見てほしい」という問合せを多数いただきます。

 

『見直しの時期に来ている』
『他社が作った計画の妥当性はあるか』

といったご相談が多いです。

 

将来の工事費のために積み増しするお金を修繕積立金と言いますが、この修繕積立金は、一度値上げしたら、その金額から下げることは不可能です。

 

マンションによっては3万円も4万円も積み増ししているケースがありますが、そうなってから「高い」とご相談いただいても、正直対応致しかねます。

 

この長期修繕計画大丈夫かな?と思ったら、手遅れになる前にご相談ください。

首都圏近郊(東京・神奈川・千葉・埼玉)であれば、ぜひ物件を見た上でご相談に応じさせていただければと思います。

 

それでは、引き続き素敵なマンションライフをお楽しみください!

【トラブル事例】お部屋で水漏れが起こった時の対処法。

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アパート、マンションに住んでいて、厄介なトラブルの1つに「水漏れ」があります。

意外とアパート、マンションの水漏れって多いんですよね。

 

「上の階でバケツをひっくり返しただけで下の階に水漏れしてしまう」
なんてトラブルはよくあるんですよ。

 

下の階からしてみれば

・いきなり上から水が降ってくる…
・降ってきた水が何なのか分からない…
・綺麗な水なのか?汚い水なのか…?
・というか、住めないんですけど…
・カビ生えてこないかな…?
・濡れた壁紙張り替えてくれるのかな…?

など、本当に水漏れってゲンナリするトラブルなんです。

 

今回、水漏れ診断歴7年一級建築士の私、湯徳慎一郎が、10歳の女の子でも実践できる!水漏れ対応完全マニュアルを公開します。

 

 

水漏れが発生したら…

まず、住んでいるお部屋が以下の2つにあてはまるか確認しましょう。

 

最上階である
角部屋である

 

まず、この2つにあてはまらなければ、雨漏りのリスクは低いです。

 

ただし、この時点では「雨漏りではない」と断言はできないので、続いて以下の2つを確認しましょう。

 

が降っているか
水漏れはどのタイミングで発生するか

 

具体的には

 

・雨が降っているときだけ水漏れする
・雨が降っていないときでも水漏れする
・24時間ずっと水は漏れっぱなし
・水漏れする時としない時がある(不定期で水漏れする)
・水の色、匂い(分かればでOK)

 

この5つを見ていただければ大丈夫です。

 

素人でも分かる水漏れの原因特定方法

実際に、一級建築士の私が水漏れの現場に行ったときに原因特定する方法をお伝えします。

 

水漏れの原因は、以下のパターンで判断することができます。

 

雨が降っている時だけ、水漏れする
雨漏りのリスクが高い

 

雨が降っていないのに、水漏れしっぱなし
水道管が破損している

水道管は常に水が入りっぱなしのため
穴が空いたら四六時中、水がダダ漏れ

 

雨が降っていない、水漏れが不定
キッチン、洗面所、浴室の排水管から水漏れ

 

④トイレの汚水が漏れることはまずないので、ご安心ください。

トイレは床下に排水管が通っていないため
よほどのことがない限り漏れない

 

水漏れが発生したら、まずやること

まずは、管理会社に連絡をしましょう。

ご自身で勝手に色々な業者へ電話してはいけません。
余計なお金がかかるだけです。

基本的には、水漏れ対応で自分からお金を払う必要はありません。

とりあえず管理会社に電話してください。

 

ただし…

管理会社も水漏れに関しては「素人」です。

 

そのため、水漏れの原因について細かく伝える必要があります。

 

水漏れの連絡はこうやってする

原因別に、以下のようにお伝えください。

 

①雨が降っている時だけ、水漏れする

(部屋名)の(場所)から水漏れしています。
雨が降る時だけ水漏れしているので、雨漏りかもしれません。

 

②雨が降っていないのに、水漏れしっぱなし

(部屋名)の(場所)から水漏れしています。
雨が降っていないけど、水漏れしています。
ずっと水漏れしているので、もしかしたら上の階の水道管が原因かもしれないです。

 

③雨が降っていない、水漏れが不定

(部屋名)の(場所)から水漏れしています。
雨が降っていないけど、水漏れする時としない時があります。
もしかしたら上の階で水を使った時だけ、水漏れしてるのかもしれないです。

 

基本、これだけお伝えいただければ、管理会社はどの業者を呼んだらいいか判断できます。

 

残念なお知らせ

水漏れは、管理会社に連絡してすぐに止まるとは限りません。

例えば、雨漏りが原因の場合は、天気が晴れるまでは雨漏りの原因を治すことができません。

また、必ずしも直上の階から水漏れしているとは限らないんですよね。

私が経験した事例では、こんなトラブルがありました。

 

3階のお部屋でリビングの天井から水漏れしてきた。
4階のお部屋に行ったけど、どこも水漏れしてない。
悪そうなところもない。
5階に行ったらキッチンのホースが破れていた。
5階で漏れた水が4階で水漏れせずに3階に到達していた。

 

このように上の階、修理する業者、あなたの3者でスケジュールを調整して、原因を特定する必要があります。

そのため、場合によっては治るまでに数日かかることもあります。

 

ただ、水漏れが原因で、天井や壁が汚れたり、グシャグシャになってしまった場合は、無償で張り替えてもらえます

基本的にマンションは、管理組合で「保険」に入っているので、天井や壁の修理費用は保険で対応できるのです。

 

水漏れをきっかけに、天井や壁を好きな壁紙に変える方もいます。タダでプチリフォームできると思えば、ちょっとは気が楽になるかも。

 

加害住戸になってしまった場合…

予期せず、あなたが水漏れの加害住戸になってしまうこともあります。

ただご安心ください
あなたに過失がない限りは、お金を払う必要はありません。

 

しかし、自分が加害住戸になってしまった場合は積極的に、水漏れ対応に協力しましょう。水漏れ対応が長引いて被害が拡大し続けると、あなたが費用負担しなければならなくなることがあります。

 

最後に…

もし水漏れに限らず、住まいのトラブルで困ったときには、遠慮なく、私のところにご相談ください。

 

今回は、水漏れについて書きましたが、その他のトラブルについても今後は事例を交えて、ブログにかければと思います^^

管理組合って何するの?という疑問を3分で解決する。

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湯徳慎一郎です。

 

今回は「管理組合」について解説していきます。

 

マンションを買うか、一戸建てを買うか、悩む方も多いと思います。

マンションの何がめんどくさいかって、団体行動がめんどくさいんですよね。

 

一戸建てだと、自分で好き勝手できますが、マンションの場合はそうはいきません。

管理組合で話し合って決める、というのが大前提です。

 

今回は、そんな「マンションのめんどくさい団体行動ランキング第1位」の管理組合について、日本一かんたんに分かりやすく説明します。

 

 

管理組合とは?

マンションを購入したら、必然的に「管理組合」に加入されます。

管理組合とは、マンションを購入した人たちで作られる集まりのことです。

 

マンションは

 

・部屋の中は、買った人の持ち物
・それ以外は、みんなの持ち物

 

という扱いになります。

 

そのため、屋根や廊下、階段、電気、水道などは「みんなで管理しようね」という目的のもとで、管理組合が作られます。

 

アパートとマンションの違い

オーナーが1人の住居をアパート2人以上になるとマンションになります。

例えば、お部屋の数が100戸ある建物でも、100戸全部を1人のオーナーが所有していたら、それはマンションではなく「アパート」となります。

 

管理組合はマンションにしか存在しません。なぜなら、アパートはオーナーが1人なので、自分の意思ですべて決めることができるからです。

 

一方、マンションの場合、オーナーが2人以上いるので、誰かが独断で物事を決めると揉め事に発展しかねません

 

そのため、管理組合というものを作って「みんなで話し合って決めようね」という形になっています。

 

ちなみに、ここでいう「オーナー」とは部屋を持っている人(買った人)を指します。賃貸で住んでいる方は、オーナーではありません。

 

管理組合って何をするの?

管理組合には「理事会」というものが存在します。

 

例えば、50世帯が入るマンションがあるとします。オーナーの数も50人。

マンション内の決め事は「みんなで決めようね」が原則なので、本来であれば50人で話し合う必要があります。

 

しかし、50人が一斉に話し合うと、なかなか議論が進まないですよね。

 

・廊下の電気が切れたので変えましょう
・廊下のタイルが欠けてるから直しましょう

 

みたいな細かいことで、いちいち呼び出されて、50人集めて話し合い…なんてやってられないじゃないですか。

 

なので、管理組合には「理事会」という代表者会議の場を設けて『特定の物事は、代表者同士で話し合って、みんなの代わりに決めましょう』という形になっています。

 

理事会にはどうやって入るの?

入り方はマンションによって異なりますが、一般的には「輪番制」が取られています。

 

例えば、

今年は101、201、301、401号室の方が理事会です。
来年は102、202、302、402号室の方が理事会です。

 

このような形で、マンションによって誰がいつ、理事会に入るか順番が決められていることが多いです。

 

その他にも、立候補を募って、やりたい人がやるパターンもあれば、古いマンションだと、同じ人たちでずっと理事会をやられているケースもあります。

 

ちなみに理事会に入れるのは、オーナーのみです。
賃貸で住んでいる方は理事会には入れません。

 

理事会はどのタイミングで行われるの?

マンションによりますが、最低、年に1回は行わなければならないと法律で決まっています。

1ヶ月に1回のところもあれば、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、1年に1回など様々です。

あくまでも目安ですが、100世帯を超えてくると毎月1回開催されるマンションが多いです。

 

理事会に選ばれたら、この会議に原則として出席しなければなりません。ちょっとめんどくさい…

 

マンションの決め事は全部理事会が決めるの?

そういうわけではありません。

管理組合には理事会と別に「総会」というものがあります。

 

総会とは、マンションのオーナー全員で行う会議のことです。

なんでもかんでも理事会で決めてしまうと、独裁政治のようになってしまいます。

そのため法律で、理事会が決められる内容と総会で決める内容はあらかじめ決められています

 

ただし、総会では物事を決めることしかできません。
「YesかNoしか決められない」ということです。

 

例えば、マンションのリフォームを3,000万円でやりたいとします。

 

これを総会で決める場合は、あらかじめ理事会で

 

・どこの会社でリフォームをやるのか
・どこの部分をリフォームをするのか
・いくらでリフォームをするのか
・リフォーム代はどこから出すのか

 

これらを決める必要があります。

 

その上で「これでやりたいんですけどどうですか?」と、総会で信を問う流れとなります。

総会の場では、みんなで質疑応答をして、最終的に多数決でやるかやらないかを決める以上終わりです。

 

最後に…

正直、管理組合はめんどくさいと思います。

ただ、同じマンションにどんな人が住んでいるか知るだけでも、住民トラブルは少なくなるので、できるだけ活動には参加した方がいいです。

 

また、理事会に入ることで、自分の意見が通りやすくなるメリットがあります。

 

・マンションのこの部分を変えたい
・こういうルールを作りたい

 

などの要望がある場合は、理事会に自分が入って、議論してもらった方が、要望は通りやすいでしょう。

管理費と修繕積立金って何のために払うの?という疑問を3分で解決する。

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湯徳慎一郎です。

 

今回は「管理費」と「修繕積立金について解説していきます。

 

分譲マンションを購入するにあたり、毎月のローンとは別に「管理費」と「修繕積立金を支払う必要があります。

ローンとは『毎月3万円〜5万円ほどかかる』と思っていただければ大丈夫です。

 

結構、この支出は痛いですよね。

 

しかも、この管理費と修繕積立金

支払いが滞ると…

 

ローンをちゃんと払っているのに
マンションが競売にかかる
(=取り上げられてしまう
可能性もあります。

 

今回は、こんな「何に使われているのかよく分からないけど、毎月数万円無条件に引かれてしまっているランキング第1位管理費修繕積立金について説明していきます。

 

 

管理費ってなに?

かんたんに言うと【生活費】です。マンションの電気代や水道代、建物、駐車場、エレベーターの点検費用、管理員のお給料、清掃などの費用です。

 

家の玄関を出てから、マンションの自動ドアを出るまでの空間(廊下、エントランスなど)を安全に、綺麗に保つためのお金だと思っていただければと思います。

 

一般的に、マンションは

・部屋の中は、買った人の持ち物
・建物は、マンションを買った人全員の持ち物となります。

 

そのため、建物にかかる電気代や水道代などのお金は「マンションを買った人、全員で負担しようね」というのが管理費の考え方です。

 

マンションによって異なりますが、概ね1万円〜2万円ほどの金額がかかります。

 

修繕積立金ってなに?

かんたんに言うと【貯金】です。
将来、家をリフォームするために貯金しましょう、と同じことです。

 

先ほどもお伝えした通り、マンションは

・部屋の中は、買った人の持ち物
・建物は、マンションを買った人全員の持ち物となります。

 

将来、建物をリフォームする時に備えて、マンションを買った人たちで、毎月均等に貯金していこうね貯金を使うときは、みんなで話し合って使っていこうねというのが修繕積立金の考え方です。

 

こちらもマンションによって異なりますが、概ね5,000円〜2万円ほどの金額がかかります。

 

管理費と修繕積立金は誰に払うの?

この2つは、マンションの「管理組合」に払います。

管理組合とは「マンションを買った人たちの集まり」のことです。 つまり、マンションを買ったあなたは、自動的に『管理組合に入る』ことになります

 

よく、勘違いされがちなのですが、マンションを管理している会社(管理会社)に払うわけではありません。 管理会社は、管理組合の変わりに、お金を管理しているだけです。

 

なんで、管理費と修繕積立金に分ける必要があるの?

これは「人間の心理」が大きく関わっています。

人間というのは、お金があればあるだけ使ってしまう生き物です。

 

例えば、
「そんなにお金を使っているつもりはないんだけどお金が全然貯まらない」
という方、たまにいますよね。

 

その方のお金の使い方を見てみると

 

・外食を頻繁にしているとか
水道光熱費が高いとか
・携帯代が1万円超えているとか
・飲み代に消えているとか…

 

給料をもらった分、使ってしまう人って世の中、多いんです。

 

そんな人が、

 

親が倒れて実家に帰らなきゃいけなくなった…
・自分が病気になってしまった…
・家族が入院してしまった…

 

などの、大きなお金を支払わなければならなくなったときに 「お金がない…」という状況になったら、払えないじゃないですか。

 

一方で、給料の一部を毎月1万円でも2万円でも 貯金に回している方はそんなことにならないわけです。

 

実はこれ、マンションも同じなんです。 マンションの場合、どこか修理しようと思ったら数百万円〜数億円というお金が一気にかかります

 

管理費と修繕積立金を一緒にしてしまっていると、貯金せずに全部生活費にお金を回しているのと同じですから、いざという時に「お金が全然ないです…」 ということになりかねません。

 

だから、あらかじめ『生活費と貯金は分けましょう』 という意味で、管理費と修繕積立金は分けてあるんです。

 

管理費と修繕積立金の金額は誰が決めているの?

マンションができたばかりの状態(新築時)では、 マンションの販売会社とマンションを管理する会社の間で決めるケースが多いです。

 

その後、マンションが買われて、管理組合ができたタイミングで、 マンションの管理組合(=マンションを買った方々)に引き継がれます。

 

これはあくまでも一般論ですが、 管理費が変わることはあまりないですが、 修繕積立金は6年ごとを目安に、値上がりし続けるケースが多いです。

 

管理費が値上がりするケースとは?

主なケースとしては

①駐車場やエレベーターなどの点検会社から点検費用を値上げして欲しいと言われた

②マンションの管理会社から、値上げして欲しいと言われた

消費税が上がって、皆さまから集めているお金では足りなくなった

駐車場の空き台数が多くなり、収入が減ってきた

などがあります。

 

私の経験則ですが、首都圏では④が原因で管理費を値上げせざるを得なくなるケースが多かったです。

 

ちなみに、管理費の金額が自動的に変わることありませんマンションを買った方全員で多数決をとって過半数以上の賛成がないと管理費は変更することができません。

 

修繕積立金が値上がりするケースとは?

修繕積立金概ね5〜6年周期で値上がりし続けるケースがほとんどです。

 

マンションができたばかりの時は、販売会社もマンションを買ってもらいたいので、修繕積立金を安くするケースも多いんですよね。

 

また、サラリーマンの多くは年功序列で収入が上がっていくので、自分の収入が上がるにつれて、 修繕積立金も徐々に上がっていく方が負担が少ないじゃないですか。

 

そういった事情もあって、初めは5,000円〜10,000円の間で設定されるケースが多いです。それが、20年程で15,000円〜20,000円くらいまで値上がりするイメージです。

 

また修繕積立金は、マンションができてから10年間はほとんど使うこともないので「まずは10年の間に必要最小限、積み立てていく」という考え方もあるような気がします。

 

ちなみに、修繕積立金が自動的に値上がりすることはありません。マンションを買った方全員で多数決をとって過半数以上の賛成がないと値上げすることはできません。

 

管理費と修繕積立金を払わないとどうなるの?

督促のお手紙や電話がたくさん来ます。

 

また、払わない状態が続くと裁判に発展し、最悪の場合は、お持ちのお部屋が競売にかけられます。(=取り上げられます

 

ローンをちゃんと払っていても取り上げられますので、管理費と修繕積立金はきちんと払うようにしましょう。

 

最後に

管理費と修繕積立金については、マンションを購入する際に不動産会社から「一応」説明があります。 ただし、こういった説明は、聞き流して終わっちゃうケースがほとんどだと思うんですよね。

 

なので、もしマンションに住んでいて

 

・あれ?これはどうなんだろう?
・これ、なんかおかしくないか?

 

と思うことがあったら、遠慮なくご相談ください。