管理費と修繕積立金って何のために払うの?という疑問を3分で解決する。
湯徳慎一郎です。
今回は「管理費」と「修繕積立金」について解説していきます。
分譲マンションを購入するにあたり、毎月のローンとは別に「管理費」と「修繕積立金」を支払う必要があります。
ローンとは別に『毎月3万円〜5万円ほどかかる』と思っていただければ大丈夫です。
結構、この支出は痛いですよね。
しかも、この管理費と修繕積立金。
支払いが滞ると…
ローンをちゃんと払っているのに
マンションが競売にかかる
(=取り上げられてしまう)可能性もあります。
今回は、こんな「何に使われているのかよく分からないけど、毎月数万円無条件に引かれてしまっているランキング第1位」管理費、修繕積立金について説明していきます。
- 管理費ってなに?
- 修繕積立金ってなに?
- 管理費と修繕積立金は誰に払うの?
- なんで、管理費と修繕積立金に分ける必要があるの?
- 管理費と修繕積立金の金額は誰が決めているの?
- 管理費が値上がりするケースとは?
- 修繕積立金が値上がりするケースとは?
- 管理費と修繕積立金を払わないとどうなるの?
- 最後に
管理費ってなに?
かんたんに言うと【生活費】です。マンションの電気代や水道代、建物、駐車場、エレベーターの点検費用、管理員のお給料、清掃などの費用です。
家の玄関を出てから、マンションの自動ドアを出るまでの空間(廊下、エントランスなど)を安全に、綺麗に保つためのお金だと思っていただければと思います。
一般的に、マンションは
・部屋の中は、買った人の持ち物
・建物は、マンションを買った人全員の持ち物となります。
そのため、建物にかかる電気代や水道代などのお金は「マンションを買った人、全員で負担しようね」というのが管理費の考え方です。
マンションによって異なりますが、概ね1万円〜2万円ほどの金額がかかります。
修繕積立金ってなに?
かんたんに言うと【貯金】です。
将来、家をリフォームするために貯金しましょう、と同じことです。
先ほどもお伝えした通り、マンションは
・部屋の中は、買った人の持ち物
・建物は、マンションを買った人全員の持ち物となります。
将来、建物をリフォームする時に備えて、マンションを買った人たちで、毎月均等に貯金していこうね。貯金を使うときは、みんなで話し合って使っていこうね。 というのが修繕積立金の考え方です。
こちらもマンションによって異なりますが、概ね5,000円〜2万円ほどの金額がかかります。
管理費と修繕積立金は誰に払うの?
この2つは、マンションの「管理組合」に払います。
管理組合とは「マンションを買った人たちの集まり」のことです。 つまり、マンションを買ったあなたは、自動的に『管理組合に入る』ことになります。
よく、勘違いされがちなのですが、マンションを管理している会社(管理会社)に払うわけではありません。 管理会社は、管理組合の変わりに、お金を管理しているだけです。
なんで、管理費と修繕積立金に分ける必要があるの?
これは「人間の心理」が大きく関わっています。
人間というのは、お金があればあるだけ使ってしまう生き物です。
例えば、
「そんなにお金を使っているつもりはないんだけどお金が全然貯まらない」
という方、たまにいますよね。
その方のお金の使い方を見てみると
・外食を頻繁にしているとか
・水道光熱費が高いとか
・携帯代が1万円超えているとか
・飲み代に消えているとか…
給料をもらった分、使ってしまう人って世の中、多いんです。
そんな人が、
・親が倒れて実家に帰らなきゃいけなくなった…
・自分が病気になってしまった…
・家族が入院してしまった…
などの、大きなお金を支払わなければならなくなったときに 「お金がない…」という状況になったら、払えないじゃないですか。
一方で、給料の一部を毎月1万円でも2万円でも 貯金に回している方はそんなことにならないわけです。
実はこれ、マンションも同じなんです。 マンションの場合、どこか修理しようと思ったら数百万円〜数億円というお金が一気にかかります。
管理費と修繕積立金を一緒にしてしまっていると、貯金せずに全部生活費にお金を回しているのと同じですから、いざという時に「お金が全然ないです…」 ということになりかねません。
だから、あらかじめ『生活費と貯金は分けましょう』 という意味で、管理費と修繕積立金は分けてあるんです。
管理費と修繕積立金の金額は誰が決めているの?
マンションができたばかりの状態(新築時)では、 マンションの販売会社とマンションを管理する会社の間で決めるケースが多いです。
その後、マンションが買われて、管理組合ができたタイミングで、 マンションの管理組合(=マンションを買った方々)に引き継がれます。
これはあくまでも一般論ですが、 管理費が変わることはあまりないですが、 修繕積立金は6年ごとを目安に、値上がりし続けるケースが多いです。
管理費が値上がりするケースとは?
主なケースとしては
①駐車場やエレベーターなどの点検会社から点検費用を値上げして欲しいと言われた
②マンションの管理会社から、値上げして欲しいと言われた
③消費税が上がって、皆さまから集めているお金では足りなくなった
④駐車場の空き台数が多くなり、収入が減ってきた
などがあります。
私の経験則ですが、首都圏では④が原因で管理費を値上げせざるを得なくなるケースが多かったです。
ちなみに、管理費の金額が自動的に変わることありません。マンションを買った方全員で多数決をとって過半数以上の賛成がないと管理費は変更することができません。
修繕積立金が値上がりするケースとは?
修繕積立金は概ね5〜6年周期で値上がりし続けるケースがほとんどです。
マンションができたばかりの時は、販売会社もマンションを買ってもらいたいので、修繕積立金を安くするケースも多いんですよね。
また、サラリーマンの多くは年功序列で収入が上がっていくので、自分の収入が上がるにつれて、 修繕積立金も徐々に上がっていく方が負担が少ないじゃないですか。
そういった事情もあって、初めは5,000円〜10,000円の間で設定されるケースが多いです。それが、20年程で15,000円〜20,000円くらいまで値上がりするイメージです。
また修繕積立金は、マンションができてから10年間はほとんど使うこともないので「まずは10年の間に必要最小限、積み立てていく」という考え方もあるような気がします。
ちなみに、修繕積立金が自動的に値上がりすることはありません。マンションを買った方全員で多数決をとって過半数以上の賛成がないと値上げすることはできません。
管理費と修繕積立金を払わないとどうなるの?
督促のお手紙や電話がたくさん来ます。
また、払わない状態が続くと裁判に発展し、最悪の場合は、お持ちのお部屋が競売にかけられます。(=取り上げられます)
ローンをちゃんと払っていても取り上げられますので、管理費と修繕積立金はきちんと払うようにしましょう。
最後に
管理費と修繕積立金については、マンションを購入する際に不動産会社から「一応」説明があります。 ただし、こういった説明は、聞き流して終わっちゃうケースがほとんどだと思うんですよね。
なので、もしマンションに住んでいて
・あれ?これはどうなんだろう?
・これ、なんかおかしくないか?
と思うことがあったら、遠慮なくご相談ください。