アパート・マンションお悩み相談室

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【暴露】大規模修繕工事「コンサルタント」の実態を暴いてみた…

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湯徳慎一郎です。

今日は、大規模修繕工事コンサルタントについて切り込んでいきます。

 

・具体的に何をする人たちなのか。
・どんな人たちなのか。
・高いお金を払って頼む価値があるのか。

 

今日のブログは「暴露系」かつ「学び」の要素も入れた内容です。
ぜひ楽しみにしていてください。

 

 

大規模修繕工事コンサルタントとは?

マンションオーナーのほとんどは、大規模修繕なんて言われてもピンと来ません。

そんな中、オーナーだけで話し合って大規模修繕を進めていくには限界があります。

・そもそも専門的な知識もない。
・建物のどこを直したらいいかも分からない。
・どのくらいお金がかかるかも分からない。
・どの工事会社に頼んだらいいのかも分からない。

それを専門的な立場でお手伝いするのが大規模修繕工事コンサルタントです。

 

一般的には、マンション管理会社、マンション管理士建築士事務所にコンサルタント業務を依頼します。

 

コンサルタントの仕事とは?

一般的に、コンサルタントが行う業務は以下の5つです。

①建物診断:50〜100万円くらい
建物のどこが、どの程度悪いのか診断する

②修繕設計:30〜50万円くらい
建物のどこを直すか計画する

③工事会社選定:30〜50万円くらい
工事をどの会社に依頼するか決める

④工事監理:70〜200万円くらい
工事が適切に進んでいるか確認する

⑤長期修繕計画の見直し:30〜70万円くらい
25〜30年の工事計画を決めて、修繕積立金をいくらに設定するか判断する

 

コンサルタントを導入しようと思ったら、だいたい250万円〜500万円くらいというイメージを持っていただけたらと思います。

 

コンサルタントはどうやって決めるの?

マンション管理会社が主導して決まケースが多いです。

具体的な決め方に関しては長くなってしまうので、また別のブログで詳しく書きますが、

①マンション管理新聞などの業界新聞で公募する
②マンションオーナーに紹介してもらう
③管理会社に匿名発注する

基本的には、この3つです。

 

見積を取って比較検討して、というのが一般的ですが、

・金額的なこだわりがなく
修繕積立金にも余裕があります

というのであれば

③の管理会社匿名発注安心安全です。

 

コンサルタントの実態を暴いてみた…

裏側はこのような形になっています。
※もちろん、まともな設計事務所もあります。

 

①建物診断:50〜100万円くらい
材料メーカーに丸投げするので原価ゼロ

②修繕設計:30〜50万円くらい
工事会社に丸投げするので原価ゼロ

③工事会社選定:30〜50万円くらい
⇨コンサル側がどの会社に発注するか決めている

④工事監理:70〜200万円くらい
工事会社の現場監督とやることは一緒。

⑤長期修繕計画の見直し:30〜70万円くらい
修繕積立金をガツンと値上げする前提で進んでいく。

 

①〜②に関しては、工事会社に直接見積依頼すれば、無料で出てきます。

 

コンサルタントの問題点

私の考える問題点は以下の2つです。

 

①裏でコソコソ、工事会社から裏金(マージン)を取ろうとするな。

ちゃんと名目をつけて、正々堂々もらえ

そもそも、マージンという言葉が世の中に溢れること自体がおかしいわけで。

工事金額のパーセンテージでお金をもらう、という仕組みがおかしい。

だから、工事金額が意味もなく高騰するんでしょうが。

 

工事会社からお金を貰うなら貰うで

・この業務と
・この業務は

「工事会社に代わって私たちが代行します」という見積を出しましょう

 

その上で、オーナーにちゃんと「この業務は工事会社からお金をもらいます」という形で工事会社が決まる前に取り決めるべきです。

 

出来レースを組むのは悪いとは言わない。ただ、持っていき方が下手すぎ。

正直、コンサルタントにも工事を全うする責任があるので「ここなら安心だ」という工事会社にお願いしたい気持ちは分かります。

よく分からないところに頼んで、ぐしゃぐしゃな工事をされたら、たまりませんからね…

 

それをやられて困るんだったら、新聞公募とか入札みたいにどこが出てくるか分からないような方法を使うなよという話。

 

コンサルタント会社から推薦します」という形に持っていけない営業力の無さがOUTです。

 

公募条件で

・資本金1億円で〜とか
・直近1年間で5,000万円の工事を何件やってる〜とか

って出してくる時点で

「あぁ、出来レース組んでるんですね」
「あぁ、そうやって工事会社から裏金を抜くんですね」

ってバレバレですから。

 

公募条件を絞る=大きい工事会社しか残らない=工事金額は上がる

 

本当に実力があるコンサルタントなら

・資本金は最低レベルの1,000万円
・建設業許可を持っている

以上! という条件で公募してみなさい。

 

その上で、応募してきた全部の会社から見積書を取るべきです。
それだけで工事金額は2〜3割削減できます。

 

やばい、やばい、書いてたら熱くなりすぎた…

 

コンサルタントは必要?不要?

こちらのブログにも詳しく書きましたが、コンサルタントなんていらない。 

shinichiroyutoku.hateblo.jp

 

大規模修繕工事の費用を抑えるために必要なこと

とはいえ、コンサルタントを入れずに全部をオーナー同士で話し合って決めるのは大変です。

また、それを管理会社に押し付けるのも良くありません

本来、管理会社は大規模修繕工事に関する業務は契約外」です。
※これは、国が定めている標準規定です。

 

そこで以下の業務を必要に応じて発注で良いと思います。

 

大規模修繕工事の導入

ここを管理会社に一任すると、管理会社がコンサルタント業務を受注した場合、完全な出来レースに見えてしまいます。

そのため、コンサルタント業務の発注にあたっては、専門家に業務を依頼する方が良いです。

 

工事でどこを直すか決める

これは、数十万円払って設計業務をお願いするわけではありません。

ー ①管理組合で直接工事の見積を取る、もしくは専門家に工事会社から見積を取ってもらう

ー ②その見積を元に工事する範囲を決めてもらう

以上終わりで大丈夫です。

 

専門家であれば一目見ただけで、工事すべき箇所としなくても良い箇所くらい分かります。

 

相見積を取ってもらう(比較検討する)

専門家を交えて、他社から見積を取るのも良いです。

また、見積参加会社から直接ヒアリングする場をセッティングするのも良いと思います。

 

必要に応じて、工事の進捗を確認してもらう

必要に応じてでOKです。

コンサルタントは基本「毎週現場に行きます」的な見積書を出しますが、毎週現場でやることなんて無いです。

そこに何十万も何百万も払うなら、必要な時だけ行ってもらうで十分です。

 

長期修繕計画見直し業務

管理会社もしくは専門家にお願いした方が良いです。

ただし、お願いする際には

・現状の修繕積立金運用状況
・現状の長期修繕計画
・これまでの修繕履歴
・建築図面

を、依頼先を決める段階でお見せした方が良いです。

プロであればそれを見ることで、現状の計画に妥当性があるかどうか判断がつくはずです。

 

最後に

やっぱりコンサルタント業務を一式でお願いしたい」という場合は、管理会社に匿名発注するのが一番安心で安全です。

見積金額が安いところは危険。
コンサルタント費は安くても、工事費でガッツリ裏金を抜いてきます

 

ただし、コンサルタントを入れたら200万円〜500万円ほどかかる業務も、私が先ほど記載した5つの項目に絞れば、80万円〜150万円で済みます。

5つ全部をお願いする必要はありません。
必要と感じたものだけを都度お願いする形でOKです。

 

今回のブログをお読みになられて

大規模修繕工事の検討ってどうすればいいの…?
・どうやって進めたらいいの…?
・というかそもそも工事は必要…?
・どうすればオーナーの理解を得られる…?
・お金ってどれくらいかかるんだろう…?
・お金足りるかな…?

このお悩みがありましたら遠慮なくご相談ください。

 

これまで色々なお客様にご相談いただいておりますが

①まずはzoomでお話しをお伺いします(無料)
ご希望でしたら直接物件を拝見します(首都圏、東北以外の場合は応相談)

この流れで、方向性を明確にしていただいています

 

大きいお金が必要になるので、検討は慎重に。

それでは、今日も素敵なマンションライフをお過ごしください!

shinichiroyutoku.hateblo.jp