マンション業界歴11年の一級建築士が推奨|失敗しないマンション購入のポイント9選
湯徳慎一郎です。
今回は「タイプ別マンション購入のポイント9選」と題して、マンション管理業界歴11年の私が、物件選びのポイントをお伝えしていきます。
自分がどれに当てはまるか、楽しみながらお読みいただけますと幸いです。
購入のポイント9選
1.新築か中古か
メリットは人それぞれ価値観が変わるので、ここでは割愛します。
ただ、デメリットはある程度共通した部分があるので、以下に記載します。
・新築物件のデメリット
①どんな人が同じマンションに住むか分からない。事前情報がない。
中古物件であれば、住民の層はある程度不動産会社、管理会社が把握しています。
②入居当初は、建物のトラブルが相次ぐケースあり。
基本的に、マンションの工事は余裕がない状態でバタバタ進んでいきます。
そのため入居当初はちょっとした不具合が起きやすいです。
③不動産会社、建設会社は「入居後は対応が悪くなる」と思っておいた方が良いです。 余程のことがない限りは、数年に1回の点検以外では対応してくれません。
・中古物件のデメリット
①新築に比べ、毎月の固定費が多くなる(10,000円〜20,000円程度)
毎月の管理費、修繕積立金がそこそこかかるためです。
②住民のコミュニティに入りづらい、などがあるかも。
すでにコミュニティが出来上がっているケースもあります。
学校でいうところの「転校生」みたいなイメージです。
人付き合いが苦手な方には難しいかもしれないです。
③今後の工事予定と、毎月の固定費が上がる可能性があるか確認しておきましょう。
入居してすぐに大規模な工事が入ったり、固定費がボンッと値上がりするケースがあるためです。
2.絶対に買ってはいけない物件
聞いたことのない不動産会社、建設会社のマンションは避けた方が良いです。
不動産会社、建設会社は結構潰れます。
本来、建物は新築から10年ないし20年は瑕疵担保責任と言って、建物にトラブルが発生した場合には、不動産会社や建設会社が責任を負うことになっています。※ただし、全てのトラブルに対して責任を負うわけではありません。
しかし、倒産した場合、不動産会社・建設会社は補償する責務が無くなってしまうのです。
そうなると、マンション設備でトラブルが発生した時に、本来は無償で対応いただけるものも全部実費で対応しなければなりません。
3.人付き合いが苦手な方におすすめの物件
・住戸数が20戸〜40戸
・単身者とファミリーが共存するマンション
(間取りが1LDKから3LDKまであるマンション)
この2つに該当するマンションは、居住者同士の交流がほとんど無い傾向にあります。
※たまに顔を見せたら挨拶する程度です。
この手のマンションは、温和な人が多い印象です。
4.騒音に悩みたくない方が避けるべき物件
以下の物件は避けましょう。
・ペット可
・楽器使用可
・幼稚園、小学校、中学校、高校の近く
・公園の近く
・郊外の住宅地
・駅、大型道路に面している
・消防署、警察署の近く
子育てしやすい=騒音トラブルも多いです。
5.洗濯物を外に干せないケース
景観条例で、バルコニーに洗濯物や布団を干せないエリアがあります。
観光地や都市計画が進んで街並みが綺麗なエリアでは該当するケースが多いです。
外干ししたい人は、十分注意です。
6.大型工事が控えているケース
築10年、25年、30年、40年の物件は、大型工事が控えています。
大型工事=建物は綺麗になりますが、毎月の固定費が上がる傾向にあるので注意。
7.車に乗らない方が避けるべき物件
機械式駐車場のない(少ない)マンションを選びましょう。
「自分は車に乗らないのに、駐車場の保守点検費用を毎月の管理費から払っている」というマンションも中にはあります。
それが不公平だと思うのなら、機械式駐車場のないマンションを選んだ方が良いです。
ちなみに、マンションには「駐車場附置義務」というものがあります。
住戸数に対して『何%以上駐車場を置かなければならない』と条例で決まっているのです。
仮に附置義務が100%であれば、1住戸1台分、駐車場を置かなければなりません。
8.過去に管理会社が変わっている物件
住んでいる方の意識が高い物件です。
中には「ご意見番」みたいな方がいるケースも。
比較的、主張の強い方が多い傾向にあります。
人付き合いをしたくない方には合わないかもしれません。
9.ベストな管理会社はどこ?
管理会社は正直、どこも差はないです。
会社がどうこう…というよりは、担当者次第です。
購入時点ではあまり考えなくて良いです。
最後に
個人的な意見ですが、マンションを購入する際に「この家に一生住む」という価値観は無くした方が良いです。
マンションは共同生活なので、自分が納得できないことも、民主主義の論理で納得せざるを得ないケースもあります。
また、一生住むと決めている人と、住み替えを前提にしている人では、マンションのお金に対する価値観が全く違います。
一生住むと決めている人は、マンションをより良くするために、ある程度の支出は厭わない。
対して住み替えを前提にしている人は、支出は必要最小限、建物は現状維持が基本スタンスです。
マンションを購入する際は、自分がどちらのスタンスかはっきり決めた上で、ワクワクしながら物件を選んでいきましょう。