【暴露】工事会社はどのくらい利益を取っているのか?元工事会社の営業マンが独占告白
湯徳慎一郎です。
今回は、業界の裏側大暴露シリーズ。
「工事会社はどこで儲けているのか」についてお話しします。
実はこのお話、お客様からよく聞かれます。
数百万、数千万、数億のお金が動く中、工事会社は一体、どのくらい利益を取っているのか。 ぼったくられてんじゃないか。
そんなブラックボックスを今回開けてみたいと思います。
- 建設業界の縦社会
- 元請ってなに?
- 下請ってなに?
- 工事会社はどのくらい利益を取るの?
- 工事ってどこにお金がかかるの?
- どうやって利益を乗せてくるの?
- 安いところに頼んだらいいんじゃないの?
- 中間マージンってぶっちゃけどうなの?
- 最後に…
建設業界の縦社会
建設業界は、以下の縦社会で成り立っています。
・元請:お客様から工事を直接受注する会社
・一次下請:元請から工事を委託される会社
・二次下請:一次下請から工事を委託される会社
・三次下請:二次下請から工事を委託される会社
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と増えていくイメージです。
一般的には1つの工事案件で三次下請まで入ります。
元請ってなに?
「ゼネコン」「建設会社」と呼ばれる会社です。
基本は、現場監督だけ自社で用意して、あとは全部下請に投げます。
中には
・現場所長だけ用意して、全部丸投げするケース
・現場監督が3人いて、所長だけ元請の会社で、残りの2人は下請会社というケース
・現場監督も用意せずに請け負った工事を全て丸投げするケース
もあります。
A建設という名前でやっているけど、中身は全てB工務店。みたいなこともよくあります。
下請ってなに?
下請の役割は、元請から委託を受けた工事を完成させることです。
一次、二次、三次…とお客様との間にいくつ会社を挟むかで◯次が増えていきます。
一次下請は主に、元請から工事案件をもらって、それを施工店(職人)に振り分けるのが一般的です。
ペンキを塗るのは、A塗装
屋根を工事するのは、B工務店
廊下のシートは、C工業
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と振り分けて、取りまとめます。
なお、ここで挙げたA塗装、B工務店、C工業は二次下請となります。
さらにA塗装が、Dペイントという会社に依頼した場合、Dペイントは三次下請となります。
工事会社はどのくらい利益を取るの?
目安は、消費税を除いた見積金額の20%です。
例えば、1,000万円の見積を出してくる会社は、200万円を利益として見込んでいる。
というイメージです。
ただし、この利益率を何%に設定するかは工事会社によってバラバラです。
大小ありますが、概ね10%から30%の間で設定されます。
工事ってどこにお金がかかるの?
必要最低限、工事にかかるお金を「原価」と言います。
一般的に、原価は以下の4項目です。
・材料費、資材費
・人件費
・役所への届出
・業務委託費
このうち、最も大きな割合を占めるのが、人件費です。
業務委託費は、工事会社からマンション管理会社やコンサルタント会社、設計事務所に支払われる金額です。
※気になる方はインターネットで「リベート」と調べてみてください。
業務委託費は一般的に、工事金額のパーセンテージで支払われるケースが多いです。 (相場は2%〜10%)
※業務委託費に関しては、私も思うところがあるので、また詳しく書きます。
どうやって利益を乗せてくるの?
工事は「原価+利益」で金額を決めます。
ただし、見積書に「利益」という項目を載せることはできません。
一般的には、人件費に利益を乗せるケースが多いです。
首都圏の相場では、職人を1人呼ぶのにかかるお金は以下の通りです。
元請がメインの会社 :30,000円
→大手・中堅建設会社
一次下請がメインの会社 :25,000円
→小規模建設会社
二次下請がメインの会社 :18,000円
→職人会社
三次下請以降、職人に直接:12,000円
職人に直接頼めば、12,000円で済むところを、他の建設会社を挟むことで、どんどん金額が上がってしまう。
これが、いわゆる「中間マージン」と呼ばれているものです。
安いところに頼んだらいいんじゃないの?
もちろん、この金額を見たら、職人や下請会社に直接頼んだら安く済むと思うはずです。
ただ、直接頼めない3つの理由があります。
直接頼めない理由:その1
そもそも接点がない
職人会社や小規模建設会社は、インターネット検索で出てくることがほとんどありません。
見つけたくても見つけられない、という問題があります。
直接頼めない理由:その2
工事内容をどのように説明するか問題
彼らは、言われたことをやることに関してはプロフェッショナルです。
ただし「どこを」「どのように」工事するかどうかを決めるのは、彼らの仕事ではありません。
自発的に考える、察する、というところを彼らに求めるのはちょっと難しいです。
直接頼めない理由:その3
営業、コミュニケーションが苦手
腕の良い会社は、営業をしなくても、建設会社経由で仕事が入り続けます。
つまり、営業スキルを磨く必要がないのです。
営業慣れしている建設会社と比較すると、口下手ですし、資料作りも、プレゼンテーションも苦手です。
パッと見の印象で、不安を抱くこともあると思います。
建設業界の現状は
・営業に特化した会社
・工事に特化した会社
この2つに分かれています。
営業に特化した会社が仕事を取ってきて、工事に特化した会社に振る、という流れが当たり前になってきているのです。
それが、先程お伝えしたこちら↓
元請がメインの会社 :30,000円
→大手・中堅建設会社
一次下請がメインの会社 :25,000円
→小規模建設会社
二次下請がメインの会社 :18,000円
→職人会社
三次下請以降、職人に直接:12,000円
これだけ金額差があっても、工事会社同士の需要と供給が成り立っている“ゆえん”かもしれません。
中間マージンってぶっちゃけどうなの?
お客様からすれば、中間マージンがどれだけあろうが、他社より優れた工事を行い、金額が安ければそれで良いと思います。
中間マージンがどうこう…という設計事務所や工事会社がいますが、論点がずれていると私は感じています。
結果、金額が安ければいいんじゃない?というのが本音です。
最終的にお金を払うのはお客様ですから。
最後に…
工事を発注する上で、金額を少しでも抑えたい、と考えるのは当然です。
ちなみに、私が工事を受け持つときは、基本、元請がメインの会社に発注することはありません。
その理由は、私が工事を発注する上で一番重要していたものが「お金」だからです。
元請がメインの大きい会社に発注すれば、確かに安心感はあるかもしれません。
ただし、それを1ランク下げて発注することで、金額は10%〜30%変わるんです。
お客様が1ランク下げるのが不安と感じるのなら、その不安を「自分=私」が補えばいい。
最終的にお金を払うのはお客様です。
高く払ったツケは、後々お客様に帰ってしまうのです。
マンション業界ももう少し、こういった考え方ができればいいのにな…という本音で今回は締めたいと思います。
最後に、マンションの不具合や工事のことで
・少しでも金額を安くするコツを知りたい
・業界の裏話を聞かせてほしい
・見積書を精査してほしい
・この方向性で進んでいるけど間違っていないですか?
などのお悩みがあれば、遠慮なくご相談ください。
※「業界の裏話を聞かせてください」という問合せが今のところ一番人気です。
それでは、本日も素敵なマンションライフをお過ごしください!