大規模修繕に蔓延るリベートの実態|裏金はなぜ、無くならないのか?
湯徳慎一郎です。
今回は業界の裏側大暴露シリーズ「リベート」について切り込んでいきます。
マンション業界の「闇」とも呼ばれるリベート。
裏金が不当な形で、コンサルタントや一部のマンションオーナーに流れる。
そんなことが本当にあるのか…?
元・工事会社でリベートを支払う立場に、そしてリベートを受け取る会社にいた私が「ホントのトコロ」をお話していきます。
リベートとは?
工事金額の一部が管理会社や設計事務所、コンサルタントに不透明な形で流れること。
業務委託費などの名目で扱われるケースが多いです。
これは、工事会社と管理会社や設計事務所、コンサルタントが「工事金額の◯%を支払う」と事前に取り決めしていることが多いです。
例えば、工事会社とコンサルタントの間で「1000万円の工事で10%をリベートとして支払う」という取り決めがある場合は、 900万円が工事にかかるお金+工事会社の利益 100万円はコンサルタント会社へ支払う費用(100%利益) となります。
リベートの相場は一般的に2%〜10%です。
リベートを受け取るのは、コンサルタントだけとは限りません。
管理組合の役員など、一部のマンションオーナーが工事会社を介して受け取るケースもあります。
なぜ、リベートが問題になるのか?
リベートと談合はセットで扱われることが多いです。
マンションの大型工事は入札形式で行われます。
流れは以下の通りです。
①業界新聞等で大掛かりに公募する
(関東、関西など、広範囲で募集をかける)
↓
②数社から見積を取得する
↓
③必要に応じて、ヒアリング会を実施
(直接見積参加会社からお話を聞く)
↓
④決定
これが一見、フェアに行なわれているようで、裏では談合が組まれていることが問題なのです。
具体的には
・公募の条件を出す段階で、コンサル側が事前に発注先を決める
・公募の段階で、談合を組む
・応募する会社は、受注する会社を除き全て「ダミー」
・特定の1社に発注されるよう、コンサルタント側がマンションオーナーを「誘導」する。
これら4つのいずれか、もしくは全ての形で「仕組む」のです。
結果として、数十万、数百万円というお金がコンサルタント費用とは「別に」コンサルタント会社へ流れる。
これが問題として取り上げられるのです。
なぜ、リベートを取るのか
リベートを受け取る側のメリット
価格競争が活発化しており、正規の価格ではコンサルタント業務を受注できなくなっています。
コンサルタント業務だけでは、管理会社も設計事務所もコンサルタント会社もやっていけないんです。
さらに、金銭的なメリット以外に、もう1つ大きなメリットがあります。
コンサルタント側が一番恐れることは、工事が失敗に終わることです。
大規模修繕工事など、数千万円単位でお金が動くものを、自分たちが全く知らない、聞いたこともない会社が受注して失敗した場合、コンサルタントはそのリスクを負いきれません。
だから、過去に自社案件で実績があり、信用できる会社に工事をお願いしたいんです。
だったら初めからそうやって言えばいいのに。
リベートを支払う側のメリット
工事会社としては安定的に仕事が欲しい。
でも多くの工事会社はどうやって工事を獲得していいか分かりません。
一方で、管理会社やコンサルタントはいっぱい仕事を持っている。
そこで、コンサルタントに売上の一部を払って仕事を「紹介」してもらうことができれば、食いっぱぐれることはない。
そのため、コンサルタントと工事会社の間では、Win-Winの関係に「一応」はなっているのです。
ただし、工事会社の利益よりもコンサルタントに支払うリベートの方が高くなるケースも多く、一概にWin-Winとは言えないのが正直なところです。
リベートが業界全体に与える影響
コンサルタントと契約している会社に、案件が集中してしまいます。
そのため、新規で参入したい工事会社が入る隙はありません。
案件が集中する工事会社は、営業会社と化し、中小規模の工事会社へ丸投げします。
営業会社はどんどん利益を搾取する。
工事金額はどんどん高くなる一方で、実際に手を動かして働く職人、建設会社の利益は上がらない。
結果として、工事費が高騰が続く中で、果たして金額に見合った工事ができているのか?というところに繋がってしまうわけです。
リベートは無くなるのか?
これは、無くならないと思います。
本来、工事会社がコンサルタントに対してお金を払うことは、必ずしも悪ではないです。
例えば、工事会社が
・コンサルタントに対して、営業支援をしてもらう
・一部の業務をコンサルタントに委託する
これは、工事会社が自社の利益を上げるために必要だからお願いすることであって、いちいち、お客様にお伺いを立てる必要はありません。
むしろマンション業界以外に限らず、どの業界でもあることです。
本当に問題なのは、以下の2つです。
①実態がないのに、お金を搾取すること。
②それを隠そうとする体質。
フェアな形でやっています感を出しながら「実は裏でお金をもらっているんですよね」的な見え方をしてしまっている、それに気づかれてしまっているのが問題です。
だったら『最初からコンサルタントが工事会社を推薦します』という形にすればいいんです。
搾取されないためにできること
①リベートを取らないコンサルタント会社と取引する
ただし、コンサルタント費単体で見ると、リベートを取る会社と取らない会社では100万円単位で金額に差が出ます。 一概に金額だけで判断できなくなる点は理解しましょう。
②コンサルタント会社にリベートを受け取らない、と誓約書を書かせる
③工事会社にもリベートを支払わない、と誓約書を書かせる。
罰則規定を設けておくこともお勧めします。
④そもそもコンサルタントを入れない
⑤自分たちで工事会社を選定する
このやり方が一番確実です。
コンサルタントを入れなければリベートは発生しません。
ただし、特定のマンションオーナーが権力を持つような、工事会社の選び方は避けましょう。
マンションオーナーがリベートを受け取るケースもあります。
リベートを無くすために
管理会社や設計事務所、コンサルタント会社は、一見、不透明に見えるお金の流れを、きちんと説明したほうが良いと思います。
例えば、コンサルタントが工事会社からお金をもらうのであれば
・営業的な支援を行っている
・工事会社が行う業務をコンサルタント会社が代行する
・提案書を工事会社に代わって、お客様にプレゼンする
・お客様との窓口に立って調整業務をする
このような「実態」があるべきです。
実態があって、お金を適切に受け取っているのなら、全然問題ないです。
そうやってオフィシャルに言えばいいのです。
後は、
・談合しないと特定の会社に発注されない
・リベートという形でしか利益を得られない
それはコンサルタント会社の説明不足、実働不足、営業力不足です。
もっと実力をつけましょう。
最後に
実は、リベートの有無。工事の検討が始まった時点で、すでに決まっています。
「大規模修繕工事」という議題が上がった瞬間に、リベートは見込まれているのです。
コンサルタントを入れると決まった瞬間
リベートを取られる可能性50%
コンサルタントへの発注が決まった瞬間
リベートを取られる可能性99% or 0%
※コンサルタント会社によって取る会社と取らない会社が分かれるため
つまり、議題に上がったタイミングが、専門家に相談するタイミングです。
私も管理組合様から委託を受けて、ご説明させていただく機会をいただいております。
リベートを目前で回避した事例なども、お伝えすることができます。
・今後の方向性に不安を感じたり
・このまま理事会で検討を進めて大丈夫かな?
と思ったら【無料】でお話を伺いますので、遠慮なくご相談ください。
それでは、今回はこの辺で…
【暴露】工事会社はどのくらい利益を取っているのか?元工事会社の営業マンが独占告白
湯徳慎一郎です。
今回は、業界の裏側大暴露シリーズ。
「工事会社はどこで儲けているのか」についてお話しします。
実はこのお話、お客様からよく聞かれます。
数百万、数千万、数億のお金が動く中、工事会社は一体、どのくらい利益を取っているのか。 ぼったくられてんじゃないか。
そんなブラックボックスを今回開けてみたいと思います。
- 建設業界の縦社会
- 元請ってなに?
- 下請ってなに?
- 工事会社はどのくらい利益を取るの?
- 工事ってどこにお金がかかるの?
- どうやって利益を乗せてくるの?
- 安いところに頼んだらいいんじゃないの?
- 中間マージンってぶっちゃけどうなの?
- 最後に…
建設業界の縦社会
建設業界は、以下の縦社会で成り立っています。
・元請:お客様から工事を直接受注する会社
・一次下請:元請から工事を委託される会社
・二次下請:一次下請から工事を委託される会社
・三次下請:二次下請から工事を委託される会社
・
・
・
と増えていくイメージです。
一般的には1つの工事案件で三次下請まで入ります。
元請ってなに?
「ゼネコン」「建設会社」と呼ばれる会社です。
基本は、現場監督だけ自社で用意して、あとは全部下請に投げます。
中には
・現場所長だけ用意して、全部丸投げするケース
・現場監督が3人いて、所長だけ元請の会社で、残りの2人は下請会社というケース
・現場監督も用意せずに請け負った工事を全て丸投げするケース
もあります。
A建設という名前でやっているけど、中身は全てB工務店。みたいなこともよくあります。
下請ってなに?
下請の役割は、元請から委託を受けた工事を完成させることです。
一次、二次、三次…とお客様との間にいくつ会社を挟むかで◯次が増えていきます。
一次下請は主に、元請から工事案件をもらって、それを施工店(職人)に振り分けるのが一般的です。
ペンキを塗るのは、A塗装
屋根を工事するのは、B工務店
廊下のシートは、C工業
・
・
・
と振り分けて、取りまとめます。
なお、ここで挙げたA塗装、B工務店、C工業は二次下請となります。
さらにA塗装が、Dペイントという会社に依頼した場合、Dペイントは三次下請となります。
工事会社はどのくらい利益を取るの?
目安は、消費税を除いた見積金額の20%です。
例えば、1,000万円の見積を出してくる会社は、200万円を利益として見込んでいる。
というイメージです。
ただし、この利益率を何%に設定するかは工事会社によってバラバラです。
大小ありますが、概ね10%から30%の間で設定されます。
工事ってどこにお金がかかるの?
必要最低限、工事にかかるお金を「原価」と言います。
一般的に、原価は以下の4項目です。
・材料費、資材費
・人件費
・役所への届出
・業務委託費
このうち、最も大きな割合を占めるのが、人件費です。
業務委託費は、工事会社からマンション管理会社やコンサルタント会社、設計事務所に支払われる金額です。
※気になる方はインターネットで「リベート」と調べてみてください。
業務委託費は一般的に、工事金額のパーセンテージで支払われるケースが多いです。 (相場は2%〜10%)
※業務委託費に関しては、私も思うところがあるので、また詳しく書きます。
どうやって利益を乗せてくるの?
工事は「原価+利益」で金額を決めます。
ただし、見積書に「利益」という項目を載せることはできません。
一般的には、人件費に利益を乗せるケースが多いです。
首都圏の相場では、職人を1人呼ぶのにかかるお金は以下の通りです。
元請がメインの会社 :30,000円
→大手・中堅建設会社
一次下請がメインの会社 :25,000円
→小規模建設会社
二次下請がメインの会社 :18,000円
→職人会社
三次下請以降、職人に直接:12,000円
職人に直接頼めば、12,000円で済むところを、他の建設会社を挟むことで、どんどん金額が上がってしまう。
これが、いわゆる「中間マージン」と呼ばれているものです。
安いところに頼んだらいいんじゃないの?
もちろん、この金額を見たら、職人や下請会社に直接頼んだら安く済むと思うはずです。
ただ、直接頼めない3つの理由があります。
直接頼めない理由:その1
そもそも接点がない
職人会社や小規模建設会社は、インターネット検索で出てくることがほとんどありません。
見つけたくても見つけられない、という問題があります。
直接頼めない理由:その2
工事内容をどのように説明するか問題
彼らは、言われたことをやることに関してはプロフェッショナルです。
ただし「どこを」「どのように」工事するかどうかを決めるのは、彼らの仕事ではありません。
自発的に考える、察する、というところを彼らに求めるのはちょっと難しいです。
直接頼めない理由:その3
営業、コミュニケーションが苦手
腕の良い会社は、営業をしなくても、建設会社経由で仕事が入り続けます。
つまり、営業スキルを磨く必要がないのです。
営業慣れしている建設会社と比較すると、口下手ですし、資料作りも、プレゼンテーションも苦手です。
パッと見の印象で、不安を抱くこともあると思います。
建設業界の現状は
・営業に特化した会社
・工事に特化した会社
この2つに分かれています。
営業に特化した会社が仕事を取ってきて、工事に特化した会社に振る、という流れが当たり前になってきているのです。
それが、先程お伝えしたこちら↓
元請がメインの会社 :30,000円
→大手・中堅建設会社
一次下請がメインの会社 :25,000円
→小規模建設会社
二次下請がメインの会社 :18,000円
→職人会社
三次下請以降、職人に直接:12,000円
これだけ金額差があっても、工事会社同士の需要と供給が成り立っている“ゆえん”かもしれません。
中間マージンってぶっちゃけどうなの?
お客様からすれば、中間マージンがどれだけあろうが、他社より優れた工事を行い、金額が安ければそれで良いと思います。
中間マージンがどうこう…という設計事務所や工事会社がいますが、論点がずれていると私は感じています。
結果、金額が安ければいいんじゃない?というのが本音です。
最終的にお金を払うのはお客様ですから。
最後に…
工事を発注する上で、金額を少しでも抑えたい、と考えるのは当然です。
ちなみに、私が工事を受け持つときは、基本、元請がメインの会社に発注することはありません。
その理由は、私が工事を発注する上で一番重要していたものが「お金」だからです。
元請がメインの大きい会社に発注すれば、確かに安心感はあるかもしれません。
ただし、それを1ランク下げて発注することで、金額は10%〜30%変わるんです。
お客様が1ランク下げるのが不安と感じるのなら、その不安を「自分=私」が補えばいい。
最終的にお金を払うのはお客様です。
高く払ったツケは、後々お客様に帰ってしまうのです。
マンション業界ももう少し、こういった考え方ができればいいのにな…という本音で今回は締めたいと思います。
最後に、マンションの不具合や工事のことで
・少しでも金額を安くするコツを知りたい
・業界の裏話を聞かせてほしい
・見積書を精査してほしい
・この方向性で進んでいるけど間違っていないですか?
などのお悩みがあれば、遠慮なくご相談ください。
※「業界の裏話を聞かせてください」という問合せが今のところ一番人気です。
それでは、本日も素敵なマンションライフをお過ごしください!
【必見】後々お金がかかるマンションの特徴7選
湯徳慎一郎です。
今回は「後々お金がかかるマンションの特徴7選」というテーマです。
マンションは購入する時だけでなく、買ってからもお金がかかります。
賃貸の場合は、家賃だけ払えば良いわけですが
購入となると、最低でも
①住宅ローン
②固定資産税
③管理費
④修繕積立金
この4つは払わなければなりません。
しかも、③と④は「将来的に金額が値上がりすることが前提」です。
固定費は、マンションが古くなるにつれて上がり続けてしまうんですよね…
そこで今回は、値上がりリスクを持つ
③管理費
④修繕積立金
に着目して、 購入後「後々お金がかかるマンションの特徴7選」をお伝えしていきます。
買う時には気づかなかったけど、数年後に『実はこのマンション、後々工事費がたくさんかかるんだよね…』なんてこともよくあります。
「こんなところに実はお金ってかかるんだな」という視点で、今回のブログをお読みいただけたら嬉しいです。
①敷地が狭すぎる
首都圏のマンションには、隣の建物とほとんど隙間がない物件も多くあります。
工事の際に、足場を組むのも、作業員が移動するのも大変なので、費用が割高になりがちです。
②「鉄」が多い
バルコニーの手摺や玄関扉、消火栓ボックスが「鉄」のケースも見られます。
鉄が雨ざらしになっていて、錆びてしまっているケースも多いんですよね。
ひどい物件だと、錆で玄関が開きにくい、閉まりにくい問題もあります。
鉄は錆びたら元に戻らないので、基本は「新しいものへ交換」です。
数百万円単位でお金が飛んでいきます。
昨今、アルミ製やステンレス製など、錆びない材質を使うケース多くなりました。
鉄で無ければ交換することもほとんどないので、可能な限り「鉄製のものが無い」マンションが望ましいです。
※鉄製でないのに、交換する必要もないのに、計画に何百万、何千万円を見込んで、修繕積立金を爆上げするコンサルタントもいるので要注意です。
③水道管が「◯◯鋼管」
マンションの水道管の多くは「鋼管」で出来ています。
鋼も「鉄」なので錆びます。
鉄と言っても、コーティングなどで「錆びにくい」状態にはなっています。が…それでも20〜30年も経てば錆びるので交換という時期が来てしまいます。
なお水道管は、基本的に壁の中や床下に埋まっています。
そのため工事の際は、壁や床をぶっ壊す必要があります。
ちなみにステンレスやビニールなどの錆びない材料を使っている場合は、水道管の工事をする必要がありません。
※鋼管でないのに、交換する必要もないのに、計画に何百万、何千万円を見込んで、修繕積立金を爆上げするコンサルタントもいるので要注意です。
④機械式駐車場が雨ざらし
雨に打たれたり、湿気によって、電気部分がショートして動かなくなるトラブルがよくあります。
首都圏は敷地が狭いので、ある程度、やむを得ないところもありますが…
理想は、機械式駐車場のないマンション。
アスファルトやコンクリートの上に直置きタイプか、あっても「屋内」です。
⑤無駄にエレベーターが多い
まれに、住戸数の割にエレベーターの数が多いパターンがあります。
私の肌感覚では、70戸に1台が目安です。
それ以上だと多いかも。
ちなみに、エレベーターは1台工事するのに1,000万円近いお金がかかります。
メンテナンス費用もバカにならないので、少ないのがベストです。
⑥1階が全部エントランスホール
マンションにおける費用負担は
マンション全部の面積を、住戸数及び各住戸の面積に応じて振り分ける形で行います。
そのため、エントランスホールなどの共用スペースが少ないほど、お金は安く済みます。
⑦開放廊下
開放廊下の場合、壁・床・玄関扉・窓が野ざらしになるため、劣化や汚損のスピードが早くなります。
一方、屋内廊下は劣化や汚損の心配はありません。
最後に…
いかがでしたか?もし、あなたが
・購入したいマンションがある
・今、マンションに住んでいる
場合は、ぜひこの7選に自分のマンションがあてはまるかどうか確認してみてください。
ただし「7選に当てはまったからダメ」ということはありません。
お金がかかり始めるのは、マンションが完成してから10年目以降。
お金がかかり始める前に、適切な計画を作っておけば問題ありません。
リスクを頭に入れつつ、素敵なマンションライフをお過ごしください!
マンション業界歴11年の一級建築士が推奨|失敗しないマンション購入のポイント9選
湯徳慎一郎です。
今回は「タイプ別マンション購入のポイント9選」と題して、マンション管理業界歴11年の私が、物件選びのポイントをお伝えしていきます。
自分がどれに当てはまるか、楽しみながらお読みいただけますと幸いです。
購入のポイント9選
1.新築か中古か
メリットは人それぞれ価値観が変わるので、ここでは割愛します。
ただ、デメリットはある程度共通した部分があるので、以下に記載します。
・新築物件のデメリット
①どんな人が同じマンションに住むか分からない。事前情報がない。
中古物件であれば、住民の層はある程度不動産会社、管理会社が把握しています。
②入居当初は、建物のトラブルが相次ぐケースあり。
基本的に、マンションの工事は余裕がない状態でバタバタ進んでいきます。
そのため入居当初はちょっとした不具合が起きやすいです。
③不動産会社、建設会社は「入居後は対応が悪くなる」と思っておいた方が良いです。 余程のことがない限りは、数年に1回の点検以外では対応してくれません。
・中古物件のデメリット
①新築に比べ、毎月の固定費が多くなる(10,000円〜20,000円程度)
毎月の管理費、修繕積立金がそこそこかかるためです。
②住民のコミュニティに入りづらい、などがあるかも。
すでにコミュニティが出来上がっているケースもあります。
学校でいうところの「転校生」みたいなイメージです。
人付き合いが苦手な方には難しいかもしれないです。
③今後の工事予定と、毎月の固定費が上がる可能性があるか確認しておきましょう。
入居してすぐに大規模な工事が入ったり、固定費がボンッと値上がりするケースがあるためです。
2.絶対に買ってはいけない物件
聞いたことのない不動産会社、建設会社のマンションは避けた方が良いです。
不動産会社、建設会社は結構潰れます。
本来、建物は新築から10年ないし20年は瑕疵担保責任と言って、建物にトラブルが発生した場合には、不動産会社や建設会社が責任を負うことになっています。※ただし、全てのトラブルに対して責任を負うわけではありません。
しかし、倒産した場合、不動産会社・建設会社は補償する責務が無くなってしまうのです。
そうなると、マンション設備でトラブルが発生した時に、本来は無償で対応いただけるものも全部実費で対応しなければなりません。
3.人付き合いが苦手な方におすすめの物件
・住戸数が20戸〜40戸
・単身者とファミリーが共存するマンション
(間取りが1LDKから3LDKまであるマンション)
この2つに該当するマンションは、居住者同士の交流がほとんど無い傾向にあります。
※たまに顔を見せたら挨拶する程度です。
この手のマンションは、温和な人が多い印象です。
4.騒音に悩みたくない方が避けるべき物件
以下の物件は避けましょう。
・ペット可
・楽器使用可
・幼稚園、小学校、中学校、高校の近く
・公園の近く
・郊外の住宅地
・駅、大型道路に面している
・消防署、警察署の近く
子育てしやすい=騒音トラブルも多いです。
5.洗濯物を外に干せないケース
景観条例で、バルコニーに洗濯物や布団を干せないエリアがあります。
観光地や都市計画が進んで街並みが綺麗なエリアでは該当するケースが多いです。
外干ししたい人は、十分注意です。
6.大型工事が控えているケース
築10年、25年、30年、40年の物件は、大型工事が控えています。
大型工事=建物は綺麗になりますが、毎月の固定費が上がる傾向にあるので注意。
7.車に乗らない方が避けるべき物件
機械式駐車場のない(少ない)マンションを選びましょう。
「自分は車に乗らないのに、駐車場の保守点検費用を毎月の管理費から払っている」というマンションも中にはあります。
それが不公平だと思うのなら、機械式駐車場のないマンションを選んだ方が良いです。
ちなみに、マンションには「駐車場附置義務」というものがあります。
住戸数に対して『何%以上駐車場を置かなければならない』と条例で決まっているのです。
仮に附置義務が100%であれば、1住戸1台分、駐車場を置かなければなりません。
8.過去に管理会社が変わっている物件
住んでいる方の意識が高い物件です。
中には「ご意見番」みたいな方がいるケースも。
比較的、主張の強い方が多い傾向にあります。
人付き合いをしたくない方には合わないかもしれません。
9.ベストな管理会社はどこ?
管理会社は正直、どこも差はないです。
会社がどうこう…というよりは、担当者次第です。
購入時点ではあまり考えなくて良いです。
最後に
個人的な意見ですが、マンションを購入する際に「この家に一生住む」という価値観は無くした方が良いです。
マンションは共同生活なので、自分が納得できないことも、民主主義の論理で納得せざるを得ないケースもあります。
また、一生住むと決めている人と、住み替えを前提にしている人では、マンションのお金に対する価値観が全く違います。
一生住むと決めている人は、マンションをより良くするために、ある程度の支出は厭わない。
対して住み替えを前提にしている人は、支出は必要最小限、建物は現状維持が基本スタンスです。
マンションを購入する際は、自分がどちらのスタンスかはっきり決めた上で、ワクワクしながら物件を選んでいきましょう。
【暴露】大規模修繕工事「コンサルタント」の実態を暴いてみた…
湯徳慎一郎です。
今日は、大規模修繕工事のコンサルタントについて切り込んでいきます。
・具体的に何をする人たちなのか。
・どんな人たちなのか。
・高いお金を払って頼む価値があるのか。
今日のブログは「暴露系」かつ「学び」の要素も入れた内容です。
ぜひ楽しみにしていてください。
- 大規模修繕工事コンサルタントとは?
- コンサルタントの仕事とは?
- コンサルタントはどうやって決めるの?
- コンサルタントの実態を暴いてみた…
- コンサルタントの問題点
- コンサルタントは必要?不要?
- 大規模修繕工事の費用を抑えるために必要なこと
- 最後に
大規模修繕工事コンサルタントとは?
マンションオーナーのほとんどは、大規模修繕なんて言われてもピンと来ません。
そんな中、オーナーだけで話し合って大規模修繕を進めていくには限界があります。
・そもそも専門的な知識もない。
・建物のどこを直したらいいかも分からない。
・どのくらいお金がかかるかも分からない。
・どの工事会社に頼んだらいいのかも分からない。
それを専門的な立場でお手伝いするのが「大規模修繕工事のコンサルタント」です。
一般的には、マンション管理会社、マンション管理士、建築士事務所にコンサルタント業務を依頼します。
コンサルタントの仕事とは?
一般的に、コンサルタントが行う業務は以下の5つです。
①建物診断:50〜100万円くらい
建物のどこが、どの程度悪いのか診断する
②修繕設計:30〜50万円くらい
建物のどこを直すか計画する
③工事会社選定:30〜50万円くらい
工事をどの会社に依頼するか決める
④工事監理:70〜200万円くらい
工事が適切に進んでいるか確認する
⑤長期修繕計画の見直し:30〜70万円くらい
25〜30年の工事計画を決めて、修繕積立金をいくらに設定するか判断する
コンサルタントを導入しようと思ったら、だいたい250万円〜500万円くらいというイメージを持っていただけたらと思います。
コンサルタントはどうやって決めるの?
マンション管理会社が主導して決まるケースが多いです。
具体的な決め方に関しては長くなってしまうので、また別のブログで詳しく書きますが、
①マンション管理新聞などの業界新聞で公募する
②マンションオーナーに紹介してもらう
③管理会社に匿名発注する
基本的には、この3つです。
見積を取って比較検討して、というのが一般的ですが、
・金額的なこだわりがなく
・修繕積立金にも余裕があります
というのであれば
③の管理会社匿名発注が安心で安全です。
コンサルタントの実態を暴いてみた…
裏側はこのような形になっています。
※もちろん、まともな設計事務所もあります。
①建物診断:50〜100万円くらい
⇨材料メーカーに丸投げするので原価ゼロ。
②修繕設計:30〜50万円くらい
⇨工事会社に丸投げするので原価ゼロ。
③工事会社選定:30〜50万円くらい
⇨コンサル側がどの会社に発注するか決めている。
④工事監理:70〜200万円くらい
⇨工事会社の現場監督とやることは一緒。
⑤長期修繕計画の見直し:30〜70万円くらい
⇨修繕積立金をガツンと値上げする前提で進んでいく。
①〜②に関しては、工事会社に直接見積依頼すれば、無料で出てきます。
コンサルタントの問題点
私の考える問題点は以下の2つです。
①裏でコソコソ、工事会社から裏金(マージン)を取ろうとするな。
ちゃんと名目をつけて、正々堂々もらえ。
そもそも、マージンという言葉が世の中に溢れること自体がおかしいわけで。
工事金額のパーセンテージでお金をもらう、という仕組みがおかしい。
だから、工事金額が意味もなく高騰するんでしょうが。
工事会社からお金を貰うなら貰うで
・この業務と
・この業務は
「工事会社に代わって私たちが代行します」という見積を出しましょう。
その上で、オーナーにちゃんと「この業務は工事会社からお金をもらいます」という形で工事会社が決まる前に取り決めるべきです。
②出来レースを組むのは悪いとは言わない。ただ、持っていき方が下手すぎ。
正直、コンサルタントにも工事を全うする責任があるので「ここなら安心だ」という工事会社にお願いしたい気持ちは分かります。
よく分からないところに頼んで、ぐしゃぐしゃな工事をされたら、たまりませんからね…
それをやられて困るんだったら、新聞公募とか入札みたいにどこが出てくるか分からないような方法を使うなよという話。
「コンサルタント会社から推薦します」という形に持っていけない営業力の無さがOUTです。
公募条件で
・資本金1億円で〜とか
・直近1年間で5,000万円の工事を何件やってる〜とか
って出してくる時点で
「あぁ、出来レース組んでるんですね」
「あぁ、そうやって工事会社から裏金を抜くんですね」
ってバレバレですから。
公募条件を絞る=大きい工事会社しか残らない=工事金額は上がる
本当に実力があるコンサルタントなら
・資本金は最低レベルの1,000万円
・建設業許可を持っている
以上! という条件で公募してみなさい。
その上で、応募してきた全部の会社から見積書を取るべきです。
それだけで工事金額は2〜3割削減できます。
やばい、やばい、書いてたら熱くなりすぎた…
コンサルタントは必要?不要?
こちらのブログにも詳しく書きましたが、コンサルタントなんていらない。
大規模修繕工事の費用を抑えるために必要なこと
とはいえ、コンサルタントを入れずに全部をオーナー同士で話し合って決めるのは大変です。
また、それを管理会社に押し付けるのも良くありません。
本来、管理会社は「大規模修繕工事に関する業務は契約外」です。
※これは、国が定めている標準規定です。
そこで以下の業務を必要に応じて発注で良いと思います。
・大規模修繕工事の導入
ここを管理会社に一任すると、管理会社がコンサルタント業務を受注した場合、完全な「出来レース」に見えてしまいます。
そのため、コンサルタント業務の発注にあたっては、専門家に業務を依頼する方が良いです。
・工事でどこを直すか決める
これは、数十万円払って設計業務をお願いするわけではありません。
ー ①管理組合で直接工事の見積を取る、もしくは専門家に工事会社から見積を取ってもらう。
ー ②その見積を元に工事する範囲を決めてもらう。
以上終わりで大丈夫です。
専門家であれば一目見ただけで、工事すべき箇所としなくても良い箇所くらい分かります。
・相見積を取ってもらう(比較検討する)
専門家を交えて、他社から見積を取るのも良いです。
また、見積参加会社から直接ヒアリングする場をセッティングするのも良いと思います。
・必要に応じて、工事の進捗を確認してもらう
必要に応じてでOKです。
コンサルタントは基本「毎週現場に行きます」的な見積書を出しますが、毎週現場でやることなんて無いです。
そこに何十万も何百万も払うなら、必要な時だけ行ってもらうで十分です。
・長期修繕計画見直し業務
管理会社もしくは専門家にお願いした方が良いです。
ただし、お願いする際には
・現状の修繕積立金運用状況
・現状の長期修繕計画
・これまでの修繕履歴
・建築図面
を、依頼先を決める段階でお見せした方が良いです。
プロであればそれを見ることで、現状の計画に妥当性があるかどうか判断がつくはずです。
最後に
やっぱり「コンサルタント業務を一式でお願いしたい」という場合は、管理会社に匿名発注するのが一番安心で安全です。
見積金額が安いところは危険。
コンサルタント費は安くても、工事費でガッツリ裏金を抜いてきます。
ただし、コンサルタントを入れたら200万円〜500万円ほどかかる業務も、私が先ほど記載した5つの項目に絞れば、80万円〜150万円で済みます。
5つ全部をお願いする必要はありません。
必要と感じたものだけを都度お願いする形でOKです。
今回のブログをお読みになられて
・大規模修繕工事の検討ってどうすればいいの…?
・どうやって進めたらいいの…?
・というかそもそも工事は必要…?
・どうすればオーナーの理解を得られる…?
・お金ってどれくらいかかるんだろう…?
・お金足りるかな…?
このお悩みがありましたら遠慮なくご相談ください。
これまで色々なお客様にご相談いただいておりますが
①まずはzoomでお話しをお伺いします(無料)
②ご希望でしたら直接物件を拝見します(首都圏、東北以外の場合は応相談)
この流れで、方向性を明確にしていただいています。
大きいお金が必要になるので、検討は慎重に。
それでは、今日も素敵なマンションライフをお過ごしください!
【必見】マンションお悩みランキング第1位「騒音トラブル」を解決する方法。
湯徳慎一郎です。
今回はマンションお悩みランキングをすると毎回第1位になってしまう…
「騒音トラブル」について解説していきます。
騒音って解決できないと思っていませんか?
実は、そんなことはありません。
これからお伝えする「騒音トラブルのメカニズム」を理解すれば、かなり日常生活は楽になります。
『子供の足音は何dBで…』みたいな専門的なお話は一切しませんので、ぜひお悩みの方はご覧いただけますと幸いです。
- 主な騒音の原因
- 騒音が起きやすい状況とは?
- 騒音トラブルにおける1番の問題点
- 騒音の発信源を突き止める方法
- 誰でもできる騒音対策(トラブルに巻き込まれないために)
- 騒音が起きやすい物件の特徴
- 騒音で悩まないために大切なこと4選
主な騒音の原因
騒音の原因を大きく分けると8つに分類されます。
①子供の騒ぎ声(エーン、ギャー)
②ペットの鳴き声(ワンワン)
③壁、床を叩く音、振動(ドンドン、ドスンドスン)
④換気口から発する異音(ゴー)
⑤換気扇から発する異音(カンカン、カラカラ)
⑥電気設備から発する異音(ブーン)
⑦水道から発生する異音(ギョアァァァ、キュッ)
⑧排水が原因で発生する異音(ボタボタ、ダラダラ)
このうち、①〜③は人為的に発生する騒音
④〜⑧は設備の不具合が原因で発生する異音です。
あなたがお悩みの騒音問題は、このうちどれに該当しますか?
騒音が起きやすい状況とは?
以下の点が挙げられます。
・暴れたり叫んだりする生き物がいる
これは、当たり前ですよね。
・上階、下階に人がいない
上下階に「空洞」があると、音の波は広がりやすいです。
空室のみならず、仕事で日中不在にしている、などの場合も該当します。
例えば
3階の方が日中の騒音で悩んでいる。
でも4階は仕事&学校で不在。
音の発信源は5階で子供が走り回る音だった。
というケースもあります。
・24時間換気の不具合
築10年前後または25年前後のマンションで起きやすいトラブルです。
・換気扇がうまく回らない
・金物が外れてしまっている
・換気ダクト(管)の中に湿気が溜まって管の中で水が垂れる。
・そのポタポタ音が上階に響いてしまう
などが原因で起きます。
・窓や扉の不具合
築15年前後または25年前後のマンションで起きやすいトラブルです。
玄関扉や窓、網戸が古くなって、きちんと閉まらず、他のお部屋の騒音が室内に入ってしまうパターンです。
騒音トラブルにおける1番の問題点
1番の問題は、騒音の発信源になっているお部屋が
「自分が原因だと気づいていないこと」です。
特に、24時間換気などのマンション設備で不具合が起きている場合、そのお部屋内には、騒音・異音が発生しません。
そのため、上下階・隣住戸から指摘されて、専門家が見て『はじめて不具合が起きていることが分かる』のです。
騒音の発信源を突き止める方法
突き止める方法は2つあります。
1つ目:音響のプロに調査してもらう方法
30万円ほど費用がかかります。
ただ、原因を突き止められれば、対象者に調査費を請求することも可能です。
ネックとなる部分は2つ。
・費用を一時負担しなければならないこと
・仮に騒音の原因を突き止めたとしても、今後しこりが残る可能性が高いこと
その点から、あまり現実的ではないかもしれません。
2つ目:アンケート作戦
こちらは、私がマンション管理会社に勤めていた際に行っていました。
かなり効果的だったので、もし管理会社か、理事会にやってみてほしいと相談してみてください。
①騒音に悩んでいる家の上階、左右、下階2部屋にアンケートを配る
②騒音に「悩んでいない」と答えたお部屋が該当しているケースが高い
③騒音の原因が他のお部屋と的外れな場合も該当しているケースが多い
例:他のお部屋が「ドンドン」という騒音で悩んでいるのに、1部屋だけ「ブーン」という騒音が聞こえる、など。
④このお部屋が「怪しい」と絞れたところにだけ、注意喚起文書を管理組合名義で投函する。
※文書は全戸配布しないこと。全戸配布すると全員が他人事に感じてしまうため。
※個人を特定するような表現はNG。あくまでも全体向けの文書を特定の個人のみに送るイメージ。
※投函するときは、理事会の許可を得ましょう。
※アンケート作戦時のポイント
全住戸に対して「騒音で悩んでいますか?」と問いかけるアンケートは「取らない」
理由は、騒音で悩んでいる住戸が乱立すると、どこが音の発信源か絞れないためです。
誰でもできる騒音対策(トラブルに巻き込まれないために)
いつ、あなたが騒音トラブルの加害者になってしまうか、分かりません。
トラブルに巻き込まれると一気に住みづらくなります。
以下の3点は必ず確認するようにしましょう。
①利用規約、細則などの「決まりごと」は必ず確認しましょう。
楽器は禁止されていませんか?
②お子様がいるご家庭では、防音マット、防音カーペットを利用しましょう。
騒音対策には、床(天井)コンクリートの厚さを太くするしかありません。ただしこれは現実的には無理です。ホームセンターで購入して床に敷きましょう。
③壁や床は叩かない。
どんなにイライラしても物には当たらないこと。暴力反対です。
騒音が起きやすい物件の特徴
以下に該当する場合は、騒音トラブルが起きやすいので、十分ご注意ください。
・築10年前後
・築25年前後
この2つの時期は、マンション設備の不具合が起きやすい時期です。
・駅近物件(駅徒歩15分以内)
このエリアは単身者とファミリー世帯が混在しやすいエリアです。
ファミリー世帯の生活音が、単身者のストレスになって、騒音トラブルに発展するケースも少なくありません。
・幼稚園、小学校、中学校の近く
・ファミリータイプマンション
・ベッドタウン
基本的に、子供が多く生活するエリアは騒音トラブルに繋がりやすいです。
・駅、消防署、病院、警察署の近く
駅の音やサイレンがうるさいのは、しょうがないです。
騒音で悩まないために大切なこと4選
騒音は原因が特定されることで負担が8割減ります。
要は、原因がわからないから、不安になる・気になる・悩むという形で、ご自身の中で「騒音」を大きく捉えてしまいがちなのです。
原因が分かれば、解決に向けて動き出すこともできますし、理解することで「しょうがないと割り切る」こともできるのです。
では最後に、騒音で悩まないために大切なことを4つ、お伝えして終わりにします。
1 マンション内の他の居住者とコミュニケーションを持つ
総会に出席する程度でOKです。
隣近所に誰が住んでいるか知るだけで、騒音の負担は3割減ります。
2 家族仲良くしましょう
騒音で悩む方の多くは、何かしらの家庭内トラブルを抱えています。
夫婦の会話がないのもトラブル要因の1つです。
その影響で、些細な物音にも敏感に反応しがち。
夫婦仲良く、家族仲良くを心がけましょう。
3 やることを見つけましょう
やることがない、暇を持て余している方ほど、些細な物音に反応しがちです。
好きなことをするなり、仕事をするなど、自分の意識を向けられる何かを見つけるようにしましょう。
4 騒音問題は、管理会社では解決が難しい
騒音トラブルは「個人の所有物に起因する問題」です。
本来、管理会社は間に入ることができません。
それでも対応してくれるのは、管理会社が良心的な証拠。
ただし、管理会社ができることは
・注意喚起文を配布する
・アンケートを配るくらいです。
問題を解決するのは、音を出している当事者です。
解決へ向けて、管理会社と理事会をうまく活用して、素敵なマンションライフを手にしてくださいね。
マンション管理会社の実態を暴いてみた…
こんにちは、湯徳慎一郎です。
昨今、マンション業界では、管理会社への風当たりが厳しいです。
「まともに対応しないくせにお金だけ請求する」
そう思う方も多いのではないでしょうか?
私は5年半、管理会社に勤めていましたが、事実、私の隣に座っている担当者が、そのように吊し上げられている現場に遭遇したことはあります。
管理会社=何もしてくれない
管理会社=何をしているのか分からない
この2つの問題について、今日は実体験をもとに解説していきます。
管理会社って何をやっているの
管理会社の仕事は主に
・マンション内の清掃
・設備の点検(エレベーター、駐車場、水道、下水道など
・お金の管理 ・マンション保険の対応
・居住者間のトラブル対応
・建物のトラブル対応
・居住者間の円滑なコミュニケーション
を代行する仕事です。
本来、管理組合(オーナー)がやることを、代わりにやることでお金をいただくお仕事です。
管理会社と直接接する機会は
・マンションの理事会、総会などの定期会合
・イベント
・トラブル発生時
・管理員さんにご挨拶
くらいしかありません。
普段は事務所で
・定期会合の資料を作ったり
・設備点検結果を取りまとめたり
・トラブル対応をしたり
・修理が必要なところの見積を取ったりしています。
ここが1つポイントなのですが
「この担当者、全然マンションに来ないじゃん」
という場合があると思います。
ただし、頻繁にマンションを訪れる担当者は
・段取が悪くて訪問しなきゃいけない
・ただサボりに来ている
このどちらかなので、
マンションに来ない=仕事しない、ではないです。
中には、仕事をしないくせにマンションにも行かないやつもいますが。
ちなみに、私は「暇があればお客様の顔を見たい」という理由で、頻繁に担当物件に通っていました。
やはり、常に顔を見せて相談に乗っていると、仕事はしやすいです。
管理会社はどこで利益を得るのか?
①管理組合の事務仕事を代行する仕事
(お金や保険の管理、書類作成など)
②設備点検などに利益を上乗せする
③工事会社に仕事を斡旋して、斡旋料をいただく
④管理組合から直接、工事を受注する
⑤管理組合から直接、コンサルティングを受注する
概ね、この5つです。
このうち、①と②が、管理組合から管理会社に毎月払う「管理委託費」となります。
ただ、②は上乗せされているか、正直微妙です。
昨今、インターネットで調べれば、点検費用は出てきますから、利益を上乗せしていたらバレバレなんですよね。
むしろ、②単体では赤字になっているケースが多いです。
①と②を合わせて、大体10%〜40%が管理会社の利益だと思っていただければと思います。
※幅が広いのですが、マンションの規模によります。
管理会社社員の実態
箇条書きにしました。
・基本的には公私混同
プライベートはないです。
マンションでトラブルがあると24時間365日携帯が鳴る状態。
・社員のタイプは2通り
繊細すぎて、いつも心を病んでいるタイプか。
いかなるトラブルにも動じない強心臓タイプか。
あなたのマンションの担当者はどちらですか?
・優秀な人は入ってこない
基本的には、中途入社が多い業界。
入社条件が「未経験歓迎」も多いため、優秀な人材は入りづらい。
・専門分野(建築・法務)は優秀な人が多い
この2つは、素人ではできないため。
担当者はポンコツだけど、専門家は優秀、というケースもよくある。
もちろん、逆もある。
・給料は安い
その代わり、平日休みが取れやすい。
副業OKのところも多い。
副業している人はお金を稼ぐ難しさを知っているため、オーナーや居住者目線で仕事をしてくれます。
結果的に、良い担当者にあたるケースが多いです。
・離職率は高い
給料安い、土日出勤当たり前、クレーム対応が多い、この三重苦のため、離職率は高い。
・結論
あまり優秀な人はいません。
ただし、お客様に揉まれて優秀になる人はいます。
なぜ管理会社は対応が悪く見えるのか
こちらも箇条書きにしました。
・管理会社には、何一つ決定権がない
マンションは管理会社の所有物ではありません。
また、管理会社のお金を使うわけではないので、基本的には全部お伺いを立てないと、管理会社の独断では動けない。
・マイホームを持っている担当者が少ない
家を買っている人の感覚をそもそも知りません。
・お金の感覚、知識が少ない社員が多すぎる。
数万、数十万といった、大きなお金を動かした経験がない方ほど、お金の提案が雑です。
そもそも、自分で大きな買い物をしたことがない方も多く、お金のありがたみが分からない方も多いです。
・入社のハードルが低い業態
離職率が高い分、常に人が入れ替わっている状態です。
(どこの会社も同じかもしれませんが…)
管理会社との理想的な付き合い方
①面倒臭いお客様にならないこと
管理会社は、騙そうとしているわけではありません。
・表現の仕方が悪かったり
・対応の仕方を知らなかったり
対応が悪いというよりは 「知らないからできない」ケースが多いです。
あまりにも目につく場合は、管理会社のホームページにある「お問い合わせ先」から直接メールしましょう。
本社の総務部が管理しているので
本社で大騒ぎ→上司ブチギレ→改善
という流れで、対応が良くなるケースも多いです。
②最後の一手は管理会社が持っている
管理会社は最後の一手として
「契約をこちらから解除する」
というカードを持っています。
これをやられてしまうと、管理組合は一気に窮地に立たされます。
管理会社から契約打ち切りを告げられたマンションは、他の会社も敬遠します。
その状況で、一から管理会社を探さなければなりませんから。相当大変です。
最後に…
管理会社とはうまく付き合いましょう。
うまく付き合いつつも、きちんと業務の線引きをすることが大切です。
先ほどお伝えしました以下の部分。
①管理組合の事務仕事を代行する仕事
(お金や保険の管理、書類作成など)
②設備点検などに利益を上乗せする
③提携先の工事会社に工事案件を斡旋して、斡旋料をいただく
④管理組合から直接、工事を受注する
⑤管理組合から直接、コンサルティングサービスを受注する
ここで言うと、①と②はお願いする。
④と⑤は管理会社の言いなりになるのではなくて、ご自身でインターネットで検索してみると良いです。
私のところに来られるお客様の中には
「金額が妥当かどうか見て欲しい」
「この内容で管理会社にお願いして良いか見て欲しい」
「他社と比較検討したい」
といったご相談も寄せられます。
・自分で調べるのが大変…
・疑問はあるんだけど何を調べたらいいか分からない…
・どうしたらいいか分からないけどモヤモヤする
という場合は遠慮なくご相談ください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
それでは、今日も素敵なマンションライフをお過ごしください!