アパート・マンションお悩み相談室

マンション管理専門の一級建築士が、住まいのトラブル事例や解決策を呟きます。

管理組合って何するの?という疑問を3分で解決する。

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湯徳慎一郎です。

 

今回は「管理組合」について解説していきます。

 

マンションを買うか、一戸建てを買うか、悩む方も多いと思います。

マンションの何がめんどくさいかって、団体行動がめんどくさいんですよね。

 

一戸建てだと、自分で好き勝手できますが、マンションの場合はそうはいきません。

管理組合で話し合って決める、というのが大前提です。

 

今回は、そんな「マンションのめんどくさい団体行動ランキング第1位」の管理組合について、日本一かんたんに分かりやすく説明します。

 

 

管理組合とは?

マンションを購入したら、必然的に「管理組合」に加入されます。

管理組合とは、マンションを購入した人たちで作られる集まりのことです。

 

マンションは

 

・部屋の中は、買った人の持ち物
・それ以外は、みんなの持ち物

 

という扱いになります。

 

そのため、屋根や廊下、階段、電気、水道などは「みんなで管理しようね」という目的のもとで、管理組合が作られます。

 

アパートとマンションの違い

オーナーが1人の住居をアパート2人以上になるとマンションになります。

例えば、お部屋の数が100戸ある建物でも、100戸全部を1人のオーナーが所有していたら、それはマンションではなく「アパート」となります。

 

管理組合はマンションにしか存在しません。なぜなら、アパートはオーナーが1人なので、自分の意思ですべて決めることができるからです。

 

一方、マンションの場合、オーナーが2人以上いるので、誰かが独断で物事を決めると揉め事に発展しかねません

 

そのため、管理組合というものを作って「みんなで話し合って決めようね」という形になっています。

 

ちなみに、ここでいう「オーナー」とは部屋を持っている人(買った人)を指します。賃貸で住んでいる方は、オーナーではありません。

 

管理組合って何をするの?

管理組合には「理事会」というものが存在します。

 

例えば、50世帯が入るマンションがあるとします。オーナーの数も50人。

マンション内の決め事は「みんなで決めようね」が原則なので、本来であれば50人で話し合う必要があります。

 

しかし、50人が一斉に話し合うと、なかなか議論が進まないですよね。

 

・廊下の電気が切れたので変えましょう
・廊下のタイルが欠けてるから直しましょう

 

みたいな細かいことで、いちいち呼び出されて、50人集めて話し合い…なんてやってられないじゃないですか。

 

なので、管理組合には「理事会」という代表者会議の場を設けて『特定の物事は、代表者同士で話し合って、みんなの代わりに決めましょう』という形になっています。

 

理事会にはどうやって入るの?

入り方はマンションによって異なりますが、一般的には「輪番制」が取られています。

 

例えば、

今年は101、201、301、401号室の方が理事会です。
来年は102、202、302、402号室の方が理事会です。

 

このような形で、マンションによって誰がいつ、理事会に入るか順番が決められていることが多いです。

 

その他にも、立候補を募って、やりたい人がやるパターンもあれば、古いマンションだと、同じ人たちでずっと理事会をやられているケースもあります。

 

ちなみに理事会に入れるのは、オーナーのみです。
賃貸で住んでいる方は理事会には入れません。

 

理事会はどのタイミングで行われるの?

マンションによりますが、最低、年に1回は行わなければならないと法律で決まっています。

1ヶ月に1回のところもあれば、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、1年に1回など様々です。

あくまでも目安ですが、100世帯を超えてくると毎月1回開催されるマンションが多いです。

 

理事会に選ばれたら、この会議に原則として出席しなければなりません。ちょっとめんどくさい…

 

マンションの決め事は全部理事会が決めるの?

そういうわけではありません。

管理組合には理事会と別に「総会」というものがあります。

 

総会とは、マンションのオーナー全員で行う会議のことです。

なんでもかんでも理事会で決めてしまうと、独裁政治のようになってしまいます。

そのため法律で、理事会が決められる内容と総会で決める内容はあらかじめ決められています

 

ただし、総会では物事を決めることしかできません。
「YesかNoしか決められない」ということです。

 

例えば、マンションのリフォームを3,000万円でやりたいとします。

 

これを総会で決める場合は、あらかじめ理事会で

 

・どこの会社でリフォームをやるのか
・どこの部分をリフォームをするのか
・いくらでリフォームをするのか
・リフォーム代はどこから出すのか

 

これらを決める必要があります。

 

その上で「これでやりたいんですけどどうですか?」と、総会で信を問う流れとなります。

総会の場では、みんなで質疑応答をして、最終的に多数決でやるかやらないかを決める以上終わりです。

 

最後に…

正直、管理組合はめんどくさいと思います。

ただ、同じマンションにどんな人が住んでいるか知るだけでも、住民トラブルは少なくなるので、できるだけ活動には参加した方がいいです。

 

また、理事会に入ることで、自分の意見が通りやすくなるメリットがあります。

 

・マンションのこの部分を変えたい
・こういうルールを作りたい

 

などの要望がある場合は、理事会に自分が入って、議論してもらった方が、要望は通りやすいでしょう。